市区町村の教育支援係や教育委員会が行う「就学相談」

目次
納得のできる就学先を選びたい
申し込み方法と準備
就学相談の一般的な流れ

納得のできる就学先を選びたい

発育や発達に心配や不安のあるこどもや、心身に障害があるこども(疑いも含む)が入学するにあたり、自分の力を発揮して楽しい学校生活を送ることができるよう、各自治体では専門家による就学相談を行っています。ここでは、通常の学級や通級指導教室に行くべきか、特別支援学級、特別支援学校に行くべきかなど、安心して相談できます。
インクルーシブ教育が進められる前は、障害のあるこどもは特別支援学校にいくことが望ましいとされていましたが、インクルーシブ教育が進められている現在は、こどもの意見が尊重されるようになり、適切な教育の場や支援の方法を親や専門家といっしょに考えていく場として就学相談が利用されています。

申し込み方法と準備

就学相談を受けるには、自分から教育委員会に申し込む必要があります。小学校入学前に行われる就学児健康診断で、発達・発育に遅れがあると判断されて、教育委員会から連絡がくる場合もあります。
就学相談では、こどもの行動を観察したり、親の希望を聞かれたりします。こどもの普段の様子、どんな不安があるのか、どんな教育を受けさせたいのかなど、事前に考えておくことをお薦めします。
就学支援委員会は保護者の意見をできるだけ尊重しながら、障害の状態や必要となる支援の内容などの専門的見地を踏まえ、就学先を決定します。

就学相談の一般的な流れ

就学相談の流れは、市区町村によって多少異なることを注意してください。

保護者から市区町村の教育支援係や教育委員会などに電話で申し込んでください。申し込み後、担当相談員から面接日程の調整がされます。夏休み前までに申し込むと、その後の流れがスムーズになります。

相談員と親子面談。これまでの成育状況や支援の内容などが質問されます。母子手帳、医師の診察記録などを持参するといいでしょう。こどもの行動観察も行われます。

予約制で、こどもの発達の状態を客観的に確認します。

2回目の行動観察で、少人数集団のなかでこどもを観察します。それぞれの課題を見つけ、必要な支援方法などを探ります。

特別支援学級や特別支援学校を体験します。

就学支援委員会で、こどもの発達の状態などを考慮し、こどもが能力を伸ばせる場はどこか話し合われます。

就学支援委員会で話し合われた内容が伝えられます。保護者の同意を得たうえで就学先を決定します。
※検討結果と保護者の就学先の意向が異なる場合は、提案の内容が丁寧に説明され、教育委員会と指導主事とで改めて意向が確認されます。審議結果と異なる就学先を選択した場合、就学相談員との継続相談が実施されます。