「特別支援学校」とは何か?

目次
特別支援教育の導入により整備
特別支援学校の教育環境
特別支援学校の対象となるこども

特別支援教育の導入により整備

振り返ると特別支援学校は、2007年3月までは「ろう学校」「盲学校」「養護学校」に区分されていました。これが2007年の学校教育法の改正により、「特別支援教育」の推進が規定され、「特別支援学校」に統一されました。

特別支援教育とは、障害のあるこどもの自立や社会参加に向けた取り組みを支援し、こどもたち一人ひとりの教育的ニーズを把握して、適切な指導や支援を行う教育のことです。特別支援学校には、幼稚部、小学部、中学部、高等部、高等部の専攻科があり、基本的には通常の幼稚園、小・中学校、高等学校に準じた教育を行っています。

特別支援学校の教育環境

特別支援学校ではインクルーシブ教育の一環として、障害のある子とない子が運動会や文化祭などの学校行事でいっしょに活動したり、児童会や音楽、図画工作などをいっしょの教室で学んだりする取り組みが行われています。
また、特別支援学校の生徒が地域のボランティア活動に参加するなど地域との交流も図られ、さまざまな共同学習の機会が設けられています。
障害の状態が重度であったり、障害が重複したりしていて特別支援学校に通えないこどもには、教員が家庭や児童福祉施設、医療機関などを訪問する訪問教育も行われています。

特別支援学校の対象となるこども

視覚障害者
両目の視力がおおむね0.3未満、または視力以外の視機能障害が高度で、拡大鏡などを使っても通常の文字や図形などの視覚による認識が不可能、または著しく困難な人。

聴覚障害者
両耳の聴力レベルがおおむね60デシベル以上の人のうち、補聴器などを使用しても通常の話し声を理解することが不可能、または著しく困難な人。

知的障害者
①知的発達の遅れがあり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのにひんぱんに援助を必要とする人。②知的発達の遅れの程度が①にまで及ばない人のうち、社会生活への適応著しく困難な人。

肢体不自由者
①肢体不自由の状態が、補装具の使用によっても歩行、筆記などの日常生活における基本的な動作が不可能または困難な人。②肢体不自由の状態が①にまでは及ばないが、特定の期間内につねに医学的な観察を必要とする人。

病弱者(身体虚弱者も含む)
①慢性の呼吸器疾患、肝臓疾患および神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態で、継続して医療または生活上の規制を必要とする人。②身体虚弱の状態が継続しており、生活上の規則を必要とする人。