回答2 放課後等デイサービスの管理責任者には、児童発達支援管理責任者の資格が必要です。以下、その役割やよく似たサービス管理責任者(サビ管)との違い、また働く場所などを紹介します。
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児童発達支援管理責任者(児発管)の役割とは? ▷児童発達支援管理責任者とサービス管理責任者の違いは? ▷児童発達支援管理責任者が働く場所は? |
児童発達支援管理責任者は放課後等デイサービスをはじめとした児童福祉の現場で活躍する職種です。
さまざまな職場がありますが、一貫しておこなうメインの業務はこどもたちの成長に合わせた「個別支援計画の作成」です。
この個別支援計画はアセスメントやモニタリングをしっかりとおこないながら、こども自身の希望やその家族のニーズなどもくみ取り、短期・長期の目標や支援内容、援助の方針などを作っていくという、現場での知識が試される業務です。またこの仕事以外にも療育や送迎などもおこなう場合があります。
児童発達支援管理責任者と同じような職種に、サービス全体の管理や個別支援計画の作成をおこなうサービス管理責任者があります。その違いはどこにあるかというと、大きく分けると2つの違いに分けられます。
〇支援の対象者の年齢層が異なる
そもそも障害児を対象とした施設・事業は、施設入所等は児童福祉法、児童デイサービス等の事業は障害者自立支援法で定義されたもので、重症心身障害児(者)通園事業は非営利事業としておこなわれていたものでした。ですが、2012年4月に児童福祉法にこれらが一本化され、体系も再編されました。その時に誕生したのが児童発達支援管理責任者です。その際に支援をする対象を大人としたのがサービス管理責任者で、対象がこどもとなったのが児童発達支援管理責任者です。
〇要件を満たすための一部研修が異なる
もう一つの違いは受ける研修の内容です。児童発達支援管理責任者やサービス管理責任者となるためには2つの研修を受ける必要があります。
1.相談支援従業者初任者研修(5日間日程または2日間日程のいずれか)
2.サービス管理責任者研修(児童発達支援管理責任者研修)
・共通講義
・分野別研修【介護・地域生活(身体)・地域生活(知的・精神)・就労のいずれか】
1.相談支援従業者初任者研修(5日間日程または2日間日程のいずれか)
2.サービス管理責任者研修(児童発達支援管理責任者研修)
・共通講義
・分野別研修【児童発達支援管理責任者】
上記のように、相談支援従業者初任者研修と研修の共通講義までは同じ研修を受けますが、分野別研修では、それぞれの専門分野の研修を受けることになります。
なぜ同じ研修があるのかというと、2012年4月の改正で児童発達支援管理責任者が誕生する前までは、個別支援計画をしていたのがサービス管理責任者のみだったことに由来します。改正前の分野別研修は「介護・地域生活(身体)・地域生活(知的・精神)・就労・児童」の5つに分類されていました。しかし改正で児童福祉に特化した児童発達支援管理責任者という職種が誕生したため、サービス管理責任者が担っていた分野の一つである「児童」を児童発達支援管理責任者研修に特化するように変更しし、現在のような研修の運用がされています。
児童福祉の現場においてサービス全体の管理を任されることの多い児童発達支援管理責任者ですが、その活躍の場は幅広く、下記のような職場が当てはまります。
児童発達支援(児童発達支援センター・児童発達支援事業類型)
・医療型児童発達支援
・放課後等デイサービス
・保育所等訪問支援
・知的障がい児施設
・第一種自閉症児施設
・第二種自閉症児施設
・盲児施設
・ろうあ児施設
・肢体不自由児施設
・肢体不自由児療護施設
・重症心身障がい児施設
これらの事業所すべてに1名以上の常勤の児童発達支援管理責任者が必要となります。
近年放課後等デイサービスなども数を増やしてきているので、そのニーズは高まっているといえます。