「特別支援教育」は、どのような歴史をたどり生まれてきたのでしょうか? ここでは簡略ではありますが、障害児教育の歴史を追ってみました。「障害児教育の歴史」の早見表です。
「基本的な流れ」
個人による努力から、公立学校の設立へ
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就学の義務化、但し重度の障害については受け入れ困難な状況が続く
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対象となる障がいの拡大、それぞれの子どものニーズに応える教育へ
○戦前……障害児教育黎明期
・1878年(明治11年)5月24日 京都盲唖院設立=日本で最初の盲・聾教育機関。
明治期の障害児教育は、基本的に少数の篤志家の努力によって運営された。ただし、多くの学校は、
担任不足や財政難によって安定した運営には至らなかった。
・1923年(大正12年)8月28日 盲学校及び聾唖学校令。全国の都道府県に盲・聾唖学校設置義務を明文化。
大正期~昭和初期にかけて、個人重視・自由主義的教育の思想が隆盛し、特殊教育への関心も高まっていった。
・1941年(昭和16年)4月1日 国民学校令施行。身体虚弱児、知的障害児の学級・学校の編成。
この法令をきっかけに「養護」の言葉が広がっていったが、第二次世界大戦の勃発により実質的な
運用はなされなかった。
○戦後……特殊教育の時代
・1947年(昭和22年)3月31日 教育基本法・学校教育法の公布。
盲学校・聾唖学校・養護学校(このとき制度創設)への就学の義務化。ただし重度の障害者に対しては
就学免除・就学猶予の措置が執られ、ほとんどの場合就学が許可されなかった。
・1979年(昭和54年)4月1日 養護学校の義務化。
文部省は昭和47年(1972年)度を初年度とする特殊教育拡充計画(養護学校整備七年計画)を立て、
最終年度の昭和53年(1978年)度までに、全対象学齢児童生徒を就学させるのに必要な養護学校の整備を
図った。1978年(昭和53年)に就学猶予、就学免除が原則として廃止されたことにより、
重度・重複の障害者も養護学校に入学できるようになる。一方、普通学級からの障害児の排除も見られた。
○特別支援教育への転換
・2001年(平成13年) 「特別支援教育」という呼称の採用。
・2006年(平成19年)12月12日 学校教育法の一部改正。2007年より正式に特別支援教育の実施。
知的な遅れのない発達障害も含めた対象の拡大。盲・聾・養護学校を「特別支援学校」に一本化された。