ピアサポート、ピアサポーターについてもっと知ろう

ピアとは?

ピアカウンセリング、ピアサポーター、ピアスタッフなど、近年、障害福祉等をはじめとする支援の現場において、「ピア」という名のつく言葉をよく目にします。
ピア(peer)とは、同じような立場や境遇、経験等を共にする人たちを表す言葉です。
ピアの語源は、等しい・似たという意味をもつラテン語(par)に由来し、日本語としては、「仲間」や「同輩」などと訳されます。複数の関係性において、何かしらの共通項をもち、対等性のある関係性を総称した言葉です。ピアという言葉自体は、障害や疾患のことに限らず、人と人とがさまざまな共通項として生まれる関係性でもあります。たとえば、同じ学校の学生同士、同じ職場で働く人同士、同じ出身地の人同士、同じ文化的背景の人同士、子育て中の親同士など、置かれた立場や状況・経験等において、何らかの共通項や対等な感覚を見出せる関係性を広い意味での「ピア」といえます。

ピアサポートとは?

ピアサポート(peer support)とは、こうした同じような共通項と対等性をもつ人同士(ピア)の支え合いを表わす言葉です。たとえば、学校や職場の中で、学生同士・同僚同士、あるいは先輩と後輩との関係性の中で、お互いの経験を伝えあったり、わかちあったりすることも、ピアサポートの一つです。ピアサポートという言葉自体は、幅広い領域で使用され、多様な形として存在するものでもあることから、領域によってさまざまな定義がされています。
ここでは幅広いピアサポートの中でも、特に、障害や疾病などに関する経験・共通項を通じたピア同士のつながり方やサポート関係に焦点を当てたいと思います。障害領域における「ピアサポート」に関しては、「障害のある人生に直面し、同じ立場や課題を経験してきたことを活かして仲間として支えること」という定義がなされています。

ピアサポートとセルフヘルプ

ピアサポートという言葉がさかんに使われはじめるようになったのは、日本では、1990年代以降といわれています。言葉自体としての広まりはごく最近ではありますが、ピアサポートの言葉が普及する以前から、セルフヘルプなどの言葉として、受け継がれてきた部分もあります。
セルフヘルプ(self-help)活動とは、「自助」と「相互援助」の両側面を備え持つ活動です。セルフヘルプの精神にもとづいて結成されたグループは「セルフヘルプ(自助)グループ」とも呼ばれ、そのグループのメンバーは、障害や疾患をはじめとする共通した課題を抱える「当事者」であることが重要な意味をもっていました。

セルフヘルプの歴史

セルフヘルプ活動は、欧米において、様々な市民権の獲得運動を背景として広がりをみせ、次第に日本においても、1960年代頃よりつくられはじめ、1970年以降には年々増加・多様化しながら発展してきたという歴史的背景があります。そのため、ピアサポートの根底においても、社会的に抑圧されやすい当事者自身のもつ力や権利への気づきや、権利擁護といった視点が一つの源流として流れています。また、専門職による支援だけに頼るのではなく、「当事者」としての自身の力や仲間同士のつながりの中で生まれる力に光を当てている点は、ピアサポートにつながる大きな要素の一つでもあります。何かしらの共通項や課題を共にできる人同士が集まることで、目の前の課題を乗り越え、さらに、社会的にも大きな変化をもたらす力を生み出すということも、ピアサポートにつながる要素とも考えられます。

ピアサポートのさまざまな形

「ピア」の力を活かした活動の形や名称は非常に多様ではありますが、障害領域におけるピアサポートの形態を大きく分けると、①当事者間による無償で自発的な相互支援としての形としての「相互支援グループ・セルフヘルプグループ(mutual support groups/self-help group)」と、②当事者により意図された支援サービスが有償・無償にかかわらず提供される形としての「当事者サービス提供者・ピア提供サービス(consumer providers/peer-provided service)」とがあります。
「相互支援グループ・セルフヘルプ」としては、共通する課題を抱える当事者同士の支え合いの場や、セルフヘルプ活動を中心としたグループなどがここに含まれます。一方、「当事者サービス提供者・ピア提供サービス」は、日本では、欧米などからの影響も受け、1980年代以降に広く展開していった形態であり、その特性から、
①当事者運営サービス(Consumer Operated Services;COS)、②当事者パートナーシップサービス(consumer partnership service)、③
ピア従事者peer employeesに分類されています。

当事者サービス提供者・ピア提供サービス

当事者運営サービスは、サービスの運営権限の全てを当事者自身が持ち、当事者主体で行う形態であり、自立生活センターをはじめとする当事者自身が運営をするような支援サービスなどはここに該当します。
当事者パートナーシップサービスは、直接支援のサービスは主に当事者により提供され、サービスの運営管理等は、非当事者(専門職等)と協働で行う形態であり、クラブハウスやピアが中心となって運営される居宅介護事業所(ピアヘルパー事業所)などが該当します。
ピア従事者は、サービス事業所等において、サービスを提供する多職種チームの一員として、当事者スタッフが参加する形態であり、アメリカにおける認定ピアスペシャリストや、精神障害者地域移行・地域定着支援事業におけるピアサポーター、障害福祉サービス事業所等のピア従事者(雇用されている者をピアスタッフと呼ぶことも多い)等がここに含まれます。

ピアサポーターとは?

ここでは、多様なピアサポートの形態のうち、上記の大きな分類でいうところの「当事者サービス提供者・ピア提供サービス」としてのピアサポートに特に焦点を当てます。そして、自らも障害や疾病等の経験をもち、それらの経験を活かしながら、対人援助の現場等で働き、障害や疾病等の中にある仲間(ピア)のために支援やサービスを提供する者を広く「ピアサポーター」という言葉で表しています。
これまでにない困難に直面したり、先行きの見えない不安の中で立ちすくんでしまったりしそうな時、自分と同じような立場で共に歩める仲間(ピア)の存在は、一歩を踏み出す大きな力にもなります。特に、障害や疾患に伴う苦悩・葛藤等は、そうした経験のない人とは共有しづらい部分もあり、時に、偏見や先入観を持たれたり、誤解されたりしてしまうことも多いかもしれません。そのような中で、同じような経験をもち、共に歩める仲間でもあるピアサポーターの存在は、不安や苦悩の中にある人にとっての精神的な支えとなり、先行きの見えない不安の中での一つのモデルや道しるべともなることも期待されます。

互恵性というつながり

また、従来の支援システムの中では、専門家から一方的に支援を受ける構造が中心となりがちで、ひとたび障害や疾病をもつと、自然な形での支え・支えられる関係性の機会から切り離されやすい現状もあります。ピアサポートは、同じような経験・立場にある者同士が出会うことで、「互恵性」という当たり前の営みの場を再設定するものとも言われており、ピアサポーターの存在は、支援の現場の中に、自然な形での相互の関係性やつながりの機会を生み出す可能性も期待されます。そして、そのつながりにおいて、特に、苦労や困難といった生きづらさの経験は、人と人とを強く結びつける力ともなります。ピアサポーターの存在は、それぞれの人の人生や経験に、新たな価値をもたらし、支援システムや組織の中に、さらには地域や社会の中に、新たな人と人とのつながり方の可能性を生み出すものとも考えられます。

精神障害ピアサポートの源流

精神保健福祉の先進国である北米では、ピアサポートの起源はビアーズの精神衛生運動であると言われています。その後1963年のケネディ白書で「精神保健・医療・福祉サービスを受ける権利をもった消費者」として示され、精神障害者を「コンシューマー」と呼ぶようになっていきます。脱施設化がすすめられ、そのころからコンシューマーの精神保健福祉サービスを提供する活動は始まっています。1970年代の重度障害者による自立生活運動やセルフヘルプ運動も拡大することにより、障害者運動が活発化し、精神障害者のセルフヘルプ活動やセルフヘルプ・グループは増えていきました。1970年代に入ると専門職主導の精神保健福祉システムを批判したオルタナティブサービスが発展して、1980年代にはコンシューマーリズム、コンシューマー運動が発展していきました。
さらに1990年代に入ると、精神障害者の手記がジャーナルに多数掲載されるようになり、そこからリカバリーの概念が発展していきました。アメリカでは1980 年代後半よりピアサポーターが増加していき、2000年代になると「認定スペシャリスト」の制度化が進み現在では「ピアスペシャリスト(peer specialist)」と、呼称も統一されています。2004年には全米ピアスペシャリスト協会が設立されています。

日本での精神障害ピアサポートの流れ

日本においても、海外のピアサポートの実践としてクラブハウスモデル、ザ・ヴレッジや米国のマディソン市ソア(SOAR)におけるコンシューマーとの協働の実践等が報告され、加えてリカバリーの概念が紹介されました。そして、セルフヘルプ活動やコンシューマー運動の発展等を通して、ピアカウンセリングやピアサポート活動は身体障害者の自立生活運動、知的障害者のピープルファースト、精神障害者の地域生活支援活動にまで広がってきました。
精神障害者のセルフヘルプ・グループが台頭していく中で、当事者が中心になって運営するピアサポートは、1978年にアルコール依存症のリハビリテーションデイケア施設「三ノ輪マック」が誕生し全国的に拡がり、1970年に発足した精神障害者回復クラブ「すみれ会」が1985年から作業所を当事者運営で開設したことが始まりです。その後、そのピアサポートの活動は全国に拡がっていき、東京都内で当事者であり精神保健福祉士である加藤真規子氏が1998年にNPO法人を立ち上げ「神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう」を開設し、さらに就労継続支援B型としてカフェを運営しています。長野県では2007年にセルフヘルプ・グループである「特定非営利法人ポプラの会」が「地域活動支援センター・ポプラ」を開設しています。現在では、大阪府のピアサポーター養成講座の修了生からなる「ピアサポートを考える会」が2004年開始し2013年に改名し「さかいピアサポネット」が活動しています。さらに、札幌、福岡など当事者が中心となって障害福祉サービス事業所を立ち上げ、当事者運営によるピアサポート活動が拡がっています。

障害福祉サービスとしてのピアサポート活動の拡がり

1990 年代にはJHC板橋会がアメリカ・カリフォルニア州サクラメントの実践から学んだピアカウンセリング講座の活動を始めたことから、ピアカウンセリングが全国に広がっていきました。1996年に示された「精神障害者地域生活支援事業実施要綱(厚生省保健医療局長通知)のなかで、仲間づくりやリーダー育成などのピアカウンセリングなど当事者の体験を生かした運営が盛り込まれるようになりました。さらに、2000年4月から日本においては地域生活支援センターにピアカウンセリングが位置づけられ、精神保健福祉システムにおけるSHG支援やピアカウンセリング事業の導入への土壌が生まれつつありました。そして、地域生活支援活動において当事者が「支援者」としての役割を担うことが近年増えていく中で、ピアカウンセラーという仕事があるのなら、ピアヘルパーが存在してもよいのではないかと当事者団体である「ぼちぼちクラブ(大阪精神障害者連絡会)」の提案を受け、当事者の体験を生かして雇用される機会をつくったのは、2001年に大阪府の単独事業として開始した「精神障害者ピアヘルパー養成講座」です。この事業では当事者の体験を生かしたホームヘルプサービスを提供することで利用者のエンパワメントと就労の機会の拡大が期待されました。この事業により、17 名のピアヘルパーが就労することができ、2012年には10周年記念交流会も開催され、全国からピアヘルパーで活躍している当事者や関係者約130名が集まったことが報告されています。
さらに、全国に精神障害ピアサポートが拡がる大きなきっかけは、大阪府が全国に先駆け府の「社会的入院解消事業」として「大阪府退院促進事業」が2000年に始まり、同年8月より「退院促進ピアサポーター事業」が4事業所から開始されました。そこで当事者としての体験を生かした人が自立支援員として雇用されて活動することになりました。2003年には、全国で国のモデル事業として精神障害者退院促進支援事業が始まり、2004年には北海道や長野県等が「ピアサポーター」として自立支援員を雇用するようになりました。2006年に国の事業として始まると、さらに全国的に「ピアサポーター」が支援員として活用されるようになってきました。

精神障害ピアサポーターの育成

2009年度から、国の研究補助事業として「精神障がい者のピアサポートを行う人材を育成し、当事者の雇用を図るための人材育成プログラム構築に関する研究」としてモデル研修が始まりました。2010年には、研究事業により「ピアサポートの人材育成と雇用管理等の体制整備のあり方に関する調査とガイドラインの作成」において、人材育成と雇用のガイドラインが作成されました。そして、2011年より「精神障がいピアサポート専門員養成検討部会」によって、養成テキストが作成されています。
2010 年に精神障害者地域移行・地域定着支援事業において、「ピアサポートの活用」が明記され、ピアサポーターの費用が計上されたことにより、全国各地でピアサポーターの養成が行われています。そこから、ピアサポーターとして従事する当事者が増えています。

障害者自立支援法の影響

一方2009年にはピアサポーターに関する全国実態調査が実施され、大きく4つの活動の類型を以下の通り示されています。①ピアサポーターによる生活支援、②ピアサポーターによる病院訪問、③1対1でのピアカウンセリング、④ピアサポートグループのなかで、報酬を受けてピアサポーターに従事している者が多くなっているものの、雇用されているピアサポーターは未だ少ない傾向があることが報告されています。その要因として、2012年の障害者自立支援法(現:障害者総合支援法)が成立し、地域移行・地域定着支援として個別給付化されることにより、地域相談支援のなかで「ピアサポートの活用」の明記はされているものの、予算計上がなくなり雇用の拡がりに影響を受けたといえます。しかし、「ピアサポーター」の効果が実践の中で見えてきたこともあり、地域移行支援に限らず障害福祉サービスの事業所や精神科デイケア等医療機関において従事する「ピアサポーター」も増えています。

精神障害ピアサポート専門員の養成

また、2012年に相川章子(聖学院大学)による研究プロジェクトのもと「第1回ピアスタッフの集い」が開催され、2014年に「日本ピアスタッフ協会」が設立されました。現在「ピアスタッフの集い」も毎年開催され2017年度までに6回開催されています。2015年には先に述べた「精神障がいピアサポート専門員養成検討部会」から発展して「精神障がい者ピアサポート専門員研修企画委員会」の議論の結果、2015年4月1日に、「一般社団法人日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構」が設立され、毎年精神障がいピアサポート専門員養成が実施されています。
一方、千葉県では2015年千葉県の事業として、ピアサポート専門員の養成研修を実施し、3日間の基礎研修の後障害福祉サービス事業所や医療機関などに3週間の実習を経て、2 日間の専門研修が行われています。修了者には千葉県知事による修了証が出され、すでにピアサポーターとして従事している受講者も多く、ピアサポーターの継続と雇用の拡がりが期待されています。
さらに、2015年には障害者総合支援法の3年後の見直しについて「社会保障審議会障害者部会 報告書」において、「精神障害者の地域生活支援」のところで「地域移行や地域生活の支援に有効なピアサポートを担う人材等の育成・活用を進めるとともに、地域生活を支援する観点等から医療と福祉との連携を強化する必要がある」と明記されています。ますます、精神障害ピアサポーターの力が必要とされ、その支援体制を構築していくことが求められています。

ピアサポートの意義

専門家にできない支援、当事者・経験者だからこそできる支援とは。ピアサポートには主に次の3つの意義があります。

不安や孤独感を軽減できる

当事者にしかわからない苦しみや生きづらさを打ち明けられる相手がおらず、孤独を感じることがあります。例えば、できないことが増えていく、生きる目的や希望が見いだせない、この先どうすればいいのかわからない、外出できなくなり、社会から孤立している、頭ではわかっていてもつい感情的になってしまう、など。しかし、同じ境遇に置かれている人と体験を共有することで、その不安や孤独感を和らげることができます。つまり、仲間がいるという事実が精神的な安定につながることがあるのです。

有益な情報を得られる

当事者や経験者との交流を通じて、有益な情報を得られます。インターネットを通じてさまざまな情報にアクセスできる時代ですが、日常生活における工夫や福祉サービスの利用法、医療・介護サービスの評判など、実体験に基づく知識やノウハウ、アドバイスは貴重だといえます。

ロールモデルとなる

当事者や経験者はロールモデル(生き方の手本や指針)になります。先が見えないときに同じ苦しみを抱えながらどうにかして生きようとする仲間の姿に直に触れることで、希望や目標を持てるようになった例は多くあります。ときに重要な意思決定の判断材料となったり後押しとなったりすることもあります。

ピアサポーターになるには

当事者としての経験を活かし、同じ苦しみを抱える人の話を聴いたり相談相手になったりする人のことをピアサポーターと呼びます。
本来ピアサポートは当事者同志の支え合いのため、支えることと支えられることにはっきりした境界はありませんが、主に話の聴き手としてピアサポーターを募集する団体も数多くあります。また、ピアサポーターとして活動するにあたって必要な心構えについて学ぶ研修や講習会も開催されています。

【ピアサポーターとしての心構えの例】

  • プライバシーを守る
  • 医療行為などの専門領域に踏み込まない
  • 批評や比較をせず、相手の話を受け入れる
  • 病気や障がいなどについて正しい知識を持つ
  • どのような社会資源(支援制度)があるか知る

主催団体はセルフヘルプグループ以外にも厚生労働省から委託を受けた事業者や自治体などさまざまです。「当事者としての体験を役立てたい」という気持ちがある方はセルフヘルプグループや研修について調べてみることを薦めます。
さらに、一部の障害福祉サービスを提供する事業所において、当事者や経験者を職員として雇用すると評価が高まる仕組みが導入されました。

ピアサポート体制加算・実施加算とは

利用者のモチベーションの向上や不安の解消に効果が期待できるとして、ピアサポーター(当事者や経験者)を配置する事業所を評価するものです。加算を得るには、障害者ピアサポート研修の修了や事業所内での研修の実施などが必要です。

〇ピアサポート体制加算

単位 100単位/月
対象 計画相談支援、障害児相談支援、自立生活援助、地域移行支援、地域定着支援
要件
  1. 障害者ピアサポート研修(基礎研修と専門研修)を修了した次の者をそれぞれ常勤換算で0.5人以上配置する
    1. 障害者または障害者であったと都道府県または市区町村が認める者
    2. 管理者または(a)の者と協働して支援をおこなう者
  2. 上記の者が障害者に対する配慮などに関する研修を従業員に対して年に1回以上実施する
  3. 上記の者を配置していることを公表する
経過措置 2024年3月末までは、障害者ピアサポート研修に準じる研修を修了した(a)に
該当する者を常勤換算で0.5人以上配置すれば算定対象とする

また、就労継続支援B型の事業所においても、上記と同様の体制のもとで支援をおこなった場合にピアサポート実施加算(100単位×該当する利用者の数×該当月数)が算定されます。

ピアサポーターに期待されること

先に挙げたように当事者目線で自身の体験を踏まえた支援をおこなうことで、利用者のモチベーション向上や不安軽減につながることが期待されます。
また、同じ事業所で働くほかのスタッフ(ピアではない支援員)に対して障がいの特性について説明したり、それを踏まえたコミュニケーション方法についてアドバイスしたりすることも大切な役割の一つです。
さらに、利用者とスタッフの間に心理的な距離があるときには、信頼関係を構築できるよう架け橋となるシーンも出てくるでしょう。

最後に……

精神的な安定や有益な情報を得ることばかりがピアサポートの意義ではありません。病気や障がいなどの生きづらさを抱えている人の多くは、“支えられる側”として生活しています。中には病気や障がいがきっかけで、社会や家庭の中での役割を果たせなくなったと自信を失っている人も多くいます。
ピアサポーターは実体験を基に今度は“支える側”に立つという試みです。自らの体験を話したり、相手の話に耳を傾けたり、自分の生活を見せたりすることで、誰かの心の支えになったり背中を押したりすることができます。支えられた経験が支える経験につながり、支える経験によって失った役割を自分自身の力で取り戻す。このような一連のプロセスがピアサポートなのです。ピアサポーターとなることは、傷つき自信を喪失した人が誰かを支える側に立つことで、もう一度自らの力を信じ、社会の中で生きていく第一歩となります。







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