軽度の発達障害(例えば、自閉スペクトラム症「ASD」や注意欠如/多動症「ADHD」)のあるこどもは、知的には遅れがみられず、また平均値以上の知的能力を持つ場合が多いことから、重度の自閉症や知的障害のあるこどもと違って診断がつかず、これまで社会的支援の対象外となり、「気になる子」「困った子」として扱われることが多くありました。
アメリカでは1980年に精神医学会が、精神障害の診断基準である「DSM-Ⅲ」を作成し、そこで「注意欠陥障害(ADD:Attention Deficit Disorder)」が採用され、発達障害者にみられる「不注意」や「多動」、そして「衝動性」などが、脳の機能障害によってもたらされるものだと診断されるようになりました。こどもの発達障害は、脳の機能のアンバランスさが影響していることがようやくわかってきました。
日本では、約20年遅れ、2002年に文部科学省が通常学級にいる発達障害児の存在を調査する運びとなり、当時の調査でクラス全体の6.3%(1クラスに1〜2人)の割合で、発達障害のある子がいることが発表されました。その3年後の2005年には「発達障害者支援法」が厚生労動省によって定められることになり、この発達障害者支援は、アメリカより40年遅れていると言われても致し方ない現状にあります。
「DSM※」はその後も改訂を繰り返し、ADDは現在「注意欠如/多動症(ADHD:Attention Deficit Hyperactivity Disorder)」と言われ、また以前よく耳にしていた「アスペルガー症候群」は、その特性を含む他の自閉性障害とあわせて「自閉スペクトラム症(ASD:Autistic Spectrum Disorders)」と診断されるようになりました。
※DSMとは、英語のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersの略称で、意味は「精神疾患の診断・統計マニュアル」のことを指します。現在、DMS-5が2013年に改訂がなされ、臨床、研究、教育といった幅広い分野で実用性の高いものとして用いられています。
発達障害の原因の一つには、「発達障害」は、明らかな知的障害はないにもかかわらず、脳の機能障害によって非定型の発達を示すものです。脳の発達に凸凹があるため、イマジネーション(創造性)や、コミュニケーション(行為機能、表出行動)、認知機能などに偏りや歪みがみられ、それらが、いわゆる「困った行動」につながる理由となります。これらの特性から、周囲の人や環境に合わせることが困難な場面が多くあるため、発達障害とは「適応障害である」という専門家もいます。
もうひとつの特徴は、生まれつきの障害であるということです。よく大人になり人間関係につまずいたり、仕事がうまくいかなくなったりした人が、「自分は発達障害になったのでは?」と心配するケースがあります。そんな時、発達障害を診断する医師は、問診の中で本人の幼い頃からの育ちや困りごと、(遺伝的要素も含めて探るため)親族の特性などの聞き取りをしたりします。もしその人が幼い頃から、不注意によるミスや多動による問題行動、コミュニケーションのトラブルなど、さまざまな困りごとを抱えていたのであれば「発達障害」の可能性はあります。しかしながら、小さい頃は問題なく過ごしていて、大人になってから急に現れた問題なのであれば、それは「発達障害」ではなく、別の精神疾患の可能性などが疑われます。
発達障害の認知が広まる以前は、いわゆる「困った行動」をしてしまうこどもたちの親に対して、親族や幼稚園や学校の先生、保育者などが「お母さんの育て方がなっていない」「しつけが間違っている」、あるいは「愛情が足りていない」などと指摘し、あたかも「親の育て方」に原因や責任があるようなことが主張された時代がありました。悲しいことに、愛情を込めて一生懸命、子育てをしているのに、なぜかトラブルばかりを起こすわが子を目の前に、途方にくれ、涙を流す親たちが沢山いました。
繰り返していいますが、「発達障害」は生まれつきのもので、親の育て方など後天的なものではありません。遺伝要素もあるとはいわれますが、原因を追求することは、あまり意味がありません。ただ、周囲の環境、関わり方によっては「二次障害」につながる可能性が高いので、家族をはじめ周囲の正しい理解と関わりが必要となります。
以下では、発達障害のそれぞれの種類について解説します。その前に、発達障害の前提となることについてお話しておく必要があります。発達障害の種類は、それぞれが個別に存在するというより、特性が重なり合って出ることが多い障害であるということです。つまり「ADHD」だけの特性を持つ人もいますが、「ADHD」の特性と「ASD」の特性を併せ持つ、あるいは「ADHD」と「ASD」、そして「LD(学習障害)」を併せ持つ人もいるということです。それぞれがどれくらいの比率でかけ合わさるのかはその人によって違いますし、そもそもの障害の特性の濃いも薄いも人によってそれぞれだといえます。つまり、一口に「発達障害」といっても、特性の現れ方はひとりひとり違い、それが「発達障害」の理解を難しくさせている原因のひとつでもあるということです。
1980年に診断基準「DSM-Ⅲ」が発表された際、自閉症を代表とする、コミュニケーション力などの社会性の発達障害を示すグループは、広汎性発達障害(PDD:Pervasive Developmental Disorders)と呼ばれていました。PDDには、自閉性障害、レット症候群、小児崩壊性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性障害などが含まれていました。それが、2013年に「DSM-5」へ改訂される際に、レット症候群以外の4つをまとめて「ASD」とされました。
ここで使われる「スペクトラム」とは「連続体」という意味。その症状は、ひとりで生活することが難しいほどの重度の自閉性障害を持つ人から、自己コントロールを苦手とする程度が軽度の人まで境界線を引くことはできず、連続していると考えられています。ASDは対人関係の障害や常道的行動パターンが主な障害です。一部ではホルモンのひとつのセロトニンが不足しているという説もあるようです。
・空気が読めない人が多い
・人の気持ちを読み取るのが苦手
・ひとり遊びが多い
・こだわりが強い
・感覚刺激に対して過敏すぎたり鈍感すぎたりする
1)社会的コミュニケーションおよび相互反応における持続的障害がある
2)限定された反復する様式の行動、興味、活動がある
3)症状は発達早期に存在するが、後になって明らかになるものもある
4)症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な影響を引き起こすことがある
以上の4つ状態がどれか1つだけでなく、どれも併せ持っているというのがASDの診断基準になります。最初に話しましたが、これらの特性が発達早期(幼い頃から)存在していない場合は、診断基準から外されます。また、ASDの特性は持ちつつも、自己コントロール力を身につけてやり過ごすことができ、周囲の環境に恵まれ支援がうまくいき、本人が全く困っておらず、学校や職場など取り立てて問題なく生活できているのでれば、それも診断から外されます。
こどものADHDというと、「じっとできない」「席についていられない」「乱暴」などの特性が取り上げられることが多い障害です。確かにそれらもADHDの子に多い特性ではありますが、一方で「ぼーっとしている」「集中できない」「忘れ物が多い」など、不注意から起こるトラブルを抱えることが多いのもADHDの特性でもあります。そして、「多動傾向」は幼児期や小学生くらいまでで治まってくることが多く、中学、高校、大学生になってくると「不注意」の課題の方が目立ってくるケースが増えてきます。
・忘れ物やミスが多い
・片付けや掃除が苦手
・ぼんやりしていることが多い
・衝動的に行動することが多い
・思いついたことを、そのまま話してしまう
1)不注意・多動性・衝動性によって特徴づけられる不注意・多動性・衝動性の持続的な様式で、機能、または発達の妨げとなっているもの
2)不注意・多動性・衝動性の症状のうち、いくつかが12歳以前から見られた
3)不注意・多動性・衝動性の症状のうち、いくつかが2つ以上の状況(例:家庭、学校、友達といる場など)で存在する
4)これらの症状が、社会的、学業的機能を失わせている、または、その質を低下させている明確な証拠がある
1997年に精神科医の司馬理英子先生が書籍の中でADHDのことを「のび太・ジャイアン症候群」と命名しました。授業中に先生の話は上の空で、ぼんやりいろいろな想像をして、宿題などの忘れ物が多いのび太くんは、いわゆる「不注意」型の特性が強い子。いっぽうじっとしていることが苦手で、すぐにキレて乱暴するジャイアンは、「多動性」や「衝動性」の特性が強い子というわけです。ドラえもんの作者がそれを意図していたわけではないでしょうが、不注意型のタイプの子も多動型のタイプの子も、以前から確かに存在していたといえます。
学習障害とは、視力や聴覚に障害がなく、知的な遅れもないうえに、教育環境も整っており、本人が努力しているにも関わらず、文字や数の読み書きや操作(文章を書くなど)著しく困難な状態が特徴といえます。
文部科学省の定義では、「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態」とされています。
学習障害は、脳の中の「読み」「書く」「計算」に関わる領域の働きに偏りがあるために起こります。LDのこのタイプには3つ、読字障害・書字(表出)障害・算数障害の分類がなされます。
・ディスレクシア=読字障害:読むことに困難がある
・ディスグラフィア=書字(表出)障害:書くことに困難がある
・ディスカリキュリア=算数障害:計算することに困難がある
先にあげた3つの「発達障害」に合併しやすい障害で、年齢や知的発達に比べて協調運動が著しく苦手な状態を指します。全身を使う粗大運動も、指先を使う微細運動もどちらも苦手で、いわゆる「不器用」と片付けられがちです。こどものころは、運動が得意で活発な子が周りの評価を受けやすいものです。反対に運動が苦手で、不器用さが目立つ子は、それが引き金となり、自信をなくし自己肯定感(self-esteem)を下げることになりやすくなります。
発達障害であるかどうかは、自己判断せず必ず専門家の診断を受けてください。その上で、どのような支援が受けられるのか、薬を飲んだ方がいいのか、訓練はできるのかなどの具体的な相談ができます。お住まいの近くに専門医はいるのか、支援施設などがあるのかは、お近くの「発達障害者支援センター」に相談してみてください。
発達障害情報・支援センター http://www.rehab.go.jp/ddis/
一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnet http://jddnet.jp
一般社団法人 日本自閉症協会 http://www.autism.or.jp
特定非営利活動法人 日本自閉症スペクトラム学会 http://www.autistic-spectrum.jp
NPO法人 えじそんくらぶ http://www.e-club.jp
特定非営利活動法人 全国LD親の会 http://www.jpald.net/whatld.html
道具で発達を応援 トビラコ https://tobiraco.co.jp/
何が原因で癇癪を起すのかわからない発達障害のこどもに対して、どう接したら良いのか判らないという悩みを抱えているお母さまも多いのではないでしょうか? 以下、他の子より発達の凹凸が大きいこどもに接する時に気を付けたいことをいくつか挙げてみたいと思います。
発達障害のこどもに接する時は不必要に叱らないことが大切です。何故こういう行動を取るのだろうとこどもの気持ちに寄り添い、まずは理解してあげましょう。そして、落ち着いたらどうしたかったのか、何が嫌だったのかを聞いてみることも大切なことです。こどもの気持ちが理解できれば、対処法を考えることもできます。
発達障害のこどもの多くは自分の気持ちを表現することが苦手です。そのための周囲から誤解されることもしばしばあります。特に幼少期のうちは親がこどもの気持ちを代弁する必要があります。しかしながら親が介入できる時期は限られてきます。自分で感情を表現できるように、感情を絵で表したカードなどでコミュニケーションをサポートするのも一つの方法です。
発達障害の子は「家ではOKでも外ではNG」といった複雑なルールに対応できない子がほとんどです。こどもの混乱を招くため、一貫性のあるルール作りを大切にして下さい。特に自閉スペクトラム症(ASD)の子は一度覚えたルールには強いこだわりを発揮します。予定やルールを変更する場合は、できるだけ早めに具体的な内容を伝えるようにするとスムーズに対応してくれる可能性が高いようです。
何度言っても伝わらないときは、絵にして伝えるとすんなり理解することもあります。また、話すことが苦手な子には、話したい内容を紙に書き出すという方法も有効である場合もあります。内容を整理してまとめることによって話しやすくすることもあります。
発達障害が完治することは残念ながらないようです。しかしながら、発症する条件を把握して事前に手を打ったり、日ごろからトレーニングをしたりしていれば、症状を緩和することができます。
こどもがどのような条件下で癇癪を起すのか、生活のしにくさがあるのかを観察することで傾向がつかめてきます。傾向が把握できれば事前に対策をとったり工夫したりできるので、トラブルになる可能性を減らせるでしょう。ただし、学習障害(LD)においては日常生活に支障がない分、症状が出ていても「勉強が苦手」で片づけられがちです。こども本人も何が苦手で何ができないのか理解していない場合があるので、もしかしたらと思ったら病院に相談してみることをお薦めします。
発症の条件が分かっていたとしてもすべての要素を先回りして排除するのは不可能に近いといえます。よって、対策がとれない、工夫できない場面に出くわしても対処できるように日頃からトレーニングしておくとよいでしょう。トレーニングの結果、適切に対応できるようになれば、本人が感じる生活のしづらさは軽減され、さらに母親の負担も軽減されます。
発達障害に限らず育児では、ついついできていないことに目がいきがちです。できていないことをできるようにするのも大切なことですが、当り前にできていることをほめて伸ばしてあげることも大切なことです。注意されてばかりいるとやる気をなくしたり、特定の行動を毛嫌いするようになったりしてしまうこともあります。指導するということよりも応援者として見守ってあげて下さい。
以上、発達障害とは何か? また発達障害を抱えるこどもとの接し方を概略的に記しました。以下では、発達障害を抱えるお子さんをお持ちのお母さま方のために子育ての方法などを学べるものをご紹介します。
具体的にどんなトレーニングがあるのか、書籍でもたくさん出ていますが、ここでは参考となるもとして、令和元年度障害者総合福祉推進事業による「ペアレント・トレーニング実践ガイドブック」(作成:一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnet 事業委員会/協力:日本ペアレント・トレーニング研究会)をご紹介します。
厚生労働省の発達障害者支援施策に「発達障害児者及び家族等支援事業」というものがあります。その事業の一つである「家族のスキル向上支援事業」では、保護者に対するペアレント・トレーニングやペアレント・プログラム支援が、都道府県や市町村など自治体において実施されています。
ペアレント・トレーニングは、環境調整(*)やこどもへの肯定的な働きかけを学び、保護者や養育者の障害児との関わり方や心理的なストレスの改善、こどもの適切な行動の促進と不適切な行動の改善を目的としたプログラムになっています。
*)環境調整……こどもの周囲の環境(人や物)を整え、こどもが適応的な行動をしやすくなるための工夫することです。
一方、ペアレント・プログラムは、こどもの行動修正までは目指さず、「保護者の認知を肯定的に修正すること」に焦点を当てた簡易的なプログラムです。
具体的には、ペアレント・トレーニングは行動理論を理論的背景としてプログラムが構成されており、行動の理解、ほめ方、環境調整、不適切な行動への対応について保護者が学び、グループワークやホームワークを通して実践をするものです。こどもとの関わりがポジティブに変化するための重要な機会を提供するものです。
改正発達障害者支援法(2016)においても「家族を含めたきめ細やかな支援」「地域の身近な 場所で受けられる支援」の重要性がうたわれており、ペアレント・トレーニングも必要な家族支援の一つであると考えられています。今後ペアレント・トレーニングが多くの支援者に広がり、発達障害児やその家族のために市町村や圏域において実施されることが期待されています。
発達障害に限らず、こどもにとって家庭は最も身近な社会的環境です。家庭の中で親はこどもの成長発達に大きな影響を与える存在であり、親もまたこどもの行動に影響を受けて成長していきます。
発達障害者支援法施行後、全国の各自治体では発達障害の早期発見から支援への体制づくりが進められてきています。しかしどのような支援システムも親の理解と協力なしには、健診 から支援へと繋がっていきません。親の障害への気づきや理解の困難は、その後の支援に大 きく影響することから、早期支援システムの中でも親への支援は大きな課題となっています。
発達障害のある/疑いのあるこどもの親の支援ニーズは、個々の状況に応じ、乳幼児期、児 童期、思春期、成人期とライフステージによって変化していきます。中でも乳幼児期および 児童期は、発達障害のあるこどもの多くの親にとって、発達の遅れや偏りへの気づき、発達 的な相談の開始、受診から診断、そして就学相談、学校生活の適応へと向かう激動の時期で あり、親の支援ニーズは、自身の心理的な安定や情報提供、そして個々の発達特性に応じたかかわり方や問題行動への対応へと変化していきます。
このニーズに応えるために、ペアレント・トレーニングは、グループの中で他の親との出会 い、自分の子育ての悩みを語ったり、それぞれのこどもに応じた具体的なかかわり方や環境 調整の工夫を学んだり、こどもとともに成長していく場を提供します。さらに、ペアレント・ トレーニングをきっかけとして地域の親の会やペアレント・メンター(*)による支援に繋がっていくことで、ライフステージを通した地域での親支援が可能となります。
*)ペアレント・メンターは、発達障害のあるこどもを育てた経験のある親であり、同じ親 の立場でよき相談相手となれる人のことです。
ペアレント・トレーニングでは、講義による知識の獲得だけでなく、ロールプレイや演習を 行うことで、養育スキルを獲得していくものです。そして、家庭で親がホームワークに取り組み、実際にやってみることで、日常生活でのこどもの行動を変えることにつなげていきます。この時に大切なことは、「この子が悪いわけではない。私の育て方の失敗ではない。でも私(親)がかかわり方を変えることから始めてみよう」というモチベーションを持って、一つひとつの行動に注目することから始めていきます。そして、少しでもできている行動を認め、ほめることを続けていくようにします。そうすることで、親がこどもの行動を理解しやすくなり、こどもにあった工夫を行え、それによりこどもの適応行動が増えたり、うまくいったという成功体験を親子で得ることができるようになっていきます。こどもにとっても、「このように行動すればほめてもらえる」ということが明確になり、親子の関係性が《親:ほめる⇔子:ほめられる》という好循環になっていきます。
また、少人数のグループで行われるペアレント・トレーニングは、子育てで孤独を感じやすい発達障害のあるこどもの親にとって、同じ悩みをもつ親や支援者との出会いの場でもあります。このような安心できる場において、悩みを共感し合いながら、プログラムの課題をこなしていくことで、こどもの行動改善へのステップを着実に進んでいけることがペアレント・トレーニングの強みです。
ペアレント・トレーニングの実施者の拠り所となる共通の土台となるのが「基本プラットホーム」と呼ばれるものがあります。実施するプログラムを「ペアレント・トレーニング」と呼ぶためには必須な基軸となります。
「基本プラットホーム」は、①コアエレメント(プログラムの核となる要素)、②運営の原則、③実施者の専門性の三つから成り立っています。
コアエレメントとは…コアエレメントは、わが国の代表的なペアレント・トレーニングプログラムに共通の要素で、プログラムの核となるものです。ペアレント・トレーニングに参加する親が何を学ぶのか、ペアレント・トレーニングで何を教えるのかを示しています。
コアエレメント | 内 容 |
こどもの良いところを探し、ほめる |
こどもの適応的な行動に注目し、行動の後にこどもにとってプラスの感情(ほめたり、こどもの好む活動を用意したり)をもたらすことができるように、こどもの特性に応じたほめ方やかかわり方ができるようになることを目指します。 |
こどもの行動の3つのタイプわけ | こどもの行動を「好ましい行動」、「好ましくない行動」、「許しがたい行動」の3つに分け、好ましい行動には「ほめる」対応を、「好ましくない行動」には、計画的な無視や環境調整、指示の工夫を行うことを学びます。ここでは、問題を行動として整理することを目的とし、それぞれの行動のタイプの対応方法はその後に順次学び、まず「好ましい行動注目してほめることから始めます。 |
行動理解 (ABC分析) |
行動理論に基づいて、一つひとつこどもの行動を観察し、A「行動の前のきっかけ」・B「行動」・C[行動の後の結果]に分けて、客観的に行動を捉え、こどもの行動の理由がわかるようになることを目指します。 |
環境調整 (行動が起きる前の工夫) |
こどもの周囲の環境(人や物)を整え、こどもが適応的な行動をしやすくなるための工夫することを学びます。「行動理解」の「A:行動の前のきっかけ」にあたります。こどもの特性にあわせて、刺激となるようなものを減らしたり、見てわかりやすいスケジュールやルールなどを提示したりします。さらに特性に応じた工夫が必要な場合はオプションで追加します。 |
こどもが達成しやすい指示(*) | こどもへの声掛けやかかわり方の工夫を考えます。適切な行動をこどもにうながすこときは、まず苛立ちや怒りといった否定的な感情を抑えおだやかに(C:Calm)、こどもの近くに行き(C:Close)、落ち着いた静かな声で(Q:Quiet)、こどもにわかりやすい指示を行います。親にとってこどもがして欲しいことを少しでもしようとしたとき、又はしたときには、必ずほめることが大切です。 |
こどもの不適切な行動への対応 | こどもの不適切な行動に注目しすぎず、こどもの行動を客観的に観察し、落ち着いて対処できるようになることを目指します。「好ましくない行動」に対して、「計画的な無視(ほめるために待つ)を行い、少しでも好ましい行動がみられたらほめるようにします。不適切な行動への対応は、かえってこどもの不適切な行動をふやしてしまうこともあるため、「ほめる」ことをベースにしたかかわりが定着していることが前提となります。 |
*)指示:指示が達成できないことが繰り返されると、親の指示は感情的になりがちで、子どもには親の感情しか伝わらないことが多い。そのためペアレント・トレーニングでは、子どもの行動を促すために親が冷静で具体的な指示の出し方を学ぶ。具体的には、子どものそばに行って「注意をひいて予告⇒CCQで指示⇒ほめる(25%ルール)」をロールプレイで体験したのち、家でトライしてもらう。「25%ルール」とは、できていない部分に目を向けるのではなく、やるべきことの25%でもできていればその部分をすかさずほめるようにすること。
ここはお母さま方には直接関係することではなく、運営する側の事柄となりますが、このペアレント・トレーニングがどのようなことを大切に運営されているかを知ることは決して無駄なことではありません。運営の原則には、親がこどもと継続して向き合う中で陥りがちな注意点など知ることができますので、眼を通してみて下さい。
基本プラットホームでは、親がどのように学ぶのか、親にどのように教えるのかといった運営の原則や工夫が示されています。
全体の運営は、個別実施よりもグループでの実施が推奨されます。基本プラットホームでは、全5回以上、隔週で1回のセッションは90~120分程度を目安としています。参加者の人数は欠席者があってもグループとして成立するように、1グループ4、5人から7、8人が運営しやすいでしょう。ニーズや参加人数に応じて、回数や時間を増やしたり、オプションの追加を行ったりします。
各回の内容は連続性があるため、参加者は原則としてすべての回に継続して出席することが求められます。講義で知識を得ながら、演習やロールプレイを体験し、家庭での取り組みを振り返り、親がこどもへのかかわりを修正していくプロセスが重要となります。
5回程度のプログラムの場合では、たとえコアエレメントを含んでいても、終了後しばらくたつと、《ほめる⇔ほめられる》関係が保てなくなると感じる親も少なくありません。ペアレント・トレーニングは、セッションの実施回数だけでなく、実施している期間も重要です。保護者がこどものできている行動に目を向け、親子の《ほめる⇔ほめられる》という関係が2~3か月後に「フォロー回(振り返りの回)」を設定して、テキストを持ち寄って振り返りながら、再度ほめることの重要性をグループで確認しあう機会をもつことも推奨されます。
ペアレント・トレーニングのグループでの実践には、ファシリテーター(*)とサブファシリテーターがいます。彼らがどんなことに注意しながら各回を実施しているのかを知ることも、トレーニングに参加するうえで大切なことではないかと考え、以下記しておくことにします。
*)ファシリテーターは、グループワークで、グループに参加するメンバーの発言や関りを促進(ファシリテート)する役割を担う人を指します。プログラムによってはインストラクター、リーダー、スタッフなどの名称を使うことがあります。
ペアレント・トレーニングの実施者には、コアエレメントの内容を理解して助言できること、親のこれまでのかかわり方を否定せずに、こどもに適したかかわり方が提案できること、こどもの成長や親の養育スキル獲得を小さなことから発見してフィードバックできることなど、多くのスキルが必要となってきます。養成研修(日本ペアレント・トレーニング研究会 https://parent-training.jp/の指導者研修など)を受講して、研鑽を続けることでペアレント・トレーニングでの成果を図ることができます。
また、ペアレント・トレーニングを実施するときのスタッフとして、講義やグループの進行を務めるファシリテーターは、グループであることを生かして、ファシリテーターが答えを出すのではなく、他の参加者の取組みやファシリテーターの助言を参考として、家庭でのわが子へのかかわり方を親自身が修正して身に着けていけるよう支えること、そして親の努力をねぎらい、親をほめることが大切なポイントとなります。
サブファシリテーターは、ファシリテーターをサポートしながら、参加している親の様子を観察し、発言内容や変化を記録します。ファシリテーターが全体の進行を行うため、参加者の細やかな表情の変化や様子に気づけるサブファシリテーターの役割は重要です。プログラムを参加者のニーズに応じて運営していくためには、スタッフ間でのセッション前と後でのミーティングも欠かせません。
多くの場合、ペアレント・トレーニングは参加者を固定したグループ、いわゆるクローズド・グループで実施されます。グループがクローズドであることで次のような効果が生まれます。
一つ目は、ピアサポート(「同じような立場の人によるサポート」といった意味)の効果があります。ペアレント・トレーニングに参加する保護者が実感するのは、孤立感や罪障感からの解放です。参加者は、定型発達のこどもの養育では経験することがない苦労や心痛を抱えています。同様の経験をしている参加者は互いに支えあい、グループが参加者の精神健康に良い影響を与えます。
二つ目は、参加動機や学習意欲に与える良い効果です。ピアサポートの雰囲気は参加者の参加意欲を高めます。また、かなりの心身の労力を要するホームワークも、グループで励ましあうことで、取り組みの意欲が持続します。また他の参加者の取り組みから単独では思いつかない対応の工夫を学ぶこともできます。
三つ目はこどもの発達特性への理解に関わる効果です。さまざまな状況で起きる問題についてグループで話しあうことで、発達特性と行動の問題の関連がわかり、参加者は自分のこどもの発達特性をより具体的に個別的に理解できるようになります。初めてペアレント・トレーニングでは、メンバー間の葛藤や特定のメンバーの孤立や逸脱などグループ運営の難しい面を懸念するでしょうが、そのような心配をすることはありません。ペアレント・トレーニングのプログラムがしっかりと構造化されており、それがグループ内の葛藤や逸脱を起さないように機能するからです。プログラムに沿ってペアレント・トレーニングを行えば、グループは前述のような効果が自然に生じるように動きだします。
これまで度々オプションという言葉を使ってきました。ここではそのオプションについて説明します。ペアレント・トレーニングの対象となるこどもの年齢や障害特性はさまざまです。「基本プラットホーム」に基づくコアエレメントだけで効果が十分でない場合は、オプションを追加することができます。
例えば、自閉スペクトラム症の特性のあるこどもの場合はオプションとして環境調整を重視して、より詳細に検討する回を加えたり、学齢期のこどもの場合は学校との連携を加えたりします。
オプションを追加する場合は、コアエレメントに加えてセッション回数を多くして実施することが推奨されます。オプションの例は以下の通りです。
〇オプションの例
《こどもの特性理解》:こどもの行動に影響を与えるこどもの特性について学びます。未診断のこどもの親に対しては、障害という言葉の使用や特性の伝え方に配慮します。
《個別の目標行動の設定》:こどもの固有の特徴的行動に対して、それぞれの家庭で取り組む個別課題を設定します。
《代替行動を考える》:不適切な行動に直接対応せず、その行動の代わりとなる適切な行動を見つけ、その行動を教えます。
《警告やタイムアウトを用いた不適切な行動への対応》:こどもの不適切な行動(特に危険が伴うような行動)に対して、コアエレメントに基づいて環境調整や指示をしても行動が改善しない場合に、さらに対応が必要となる場合があります。「警告」「タイムアウト」(*)と呼ばれる対応です。親子関係が良好でない場合や、親が知識や技術を十分身につけていないうちはかえって悪化させることもあるため、必ず専門家の助言を得て、慎重に行います。
*)警告:子どもが指示に従えなかった場合に、やめてほしい行動とすべき行動を伝えたうえで、従わなかった時に子どもにとってどのようにマイナスな状況があるのかを説明し、理解させること。ペアレント・トレーニングでは、「ほめるための最後のチャンス」として、警告に従えなかった時はきっぱりとタイムアウトを行うが、警告のあとに指示に従えた場合はほめるようにする。
*)タイムアウト:子どもに合った環境を整え、わかりやすい指示をしても自分や他者を傷つけたり危険な行動が繰り返し起こる場合に、その行動の直後にその場から離れさせたり、部屋の端に連れて行ったりして、一定時間、子どもにとって好ましい結果が得られないようにすること。タイムアウトは問題となる行動の悪化を防ぐためのものであり、時間は年齢に応じて調節し、幼児では5分程度、ひとり遊びなどしない環境にする。タイムアウト前後に怒鳴ったり長々と説教したりはしない。
《トークンエコノミー》(*):身につけさせたい目標行動の選定、ごほうびの与え方などを計画し、トークン表の作成と活用の仕方を学びます。
*)トークンエコノミー:「トークン」とは、代用貨幣ともいわれ、本人にとって価値のあるものや活動と交換できる代理物のこと。例えば,適切な行動ができたら本人の好みのシールやスタンプをトークンとして与え、あらかじめ決めた数がたまったら、約束したご褒美として、本人にとって価値のある物や活動と交換する。
《スペシャルタイム》:ポジティブな注目をこどもに与えることを目的として、親子二人だけでこどもの好きな遊びをする時間の作り方を計画します。
《学校や園との連携》:学校や園で適切な行動が増えるように、担任との協働の仕方、たとえばこどもの適切な行動に保護者と教師がともにポジティブな注目を与えるための連絡カードを作成します。
《思春期のこどもへの理解と対応》:思春期に起きる行動の問題と対応について、プログラムで学んだ考え方の要点やスキルの応用の仕方を学びます。
《ストレスマネジメント》:親自身のストレス対処法を学び、それがうまくできているとこどもの行動を肯定的に見やすくなることを学びます。
我が国で実施されているペアレント・トレーニングは複数あります。その中から発達障害およびその疑いのあるこどもの保護者を対象としている代表的な3つのプログラムを紹介します。
いずれも行動療法や行動分析を基礎に、こどもの行動変容とそのために保護者に適切な養育のスキルを学習してもらうことを目的としています。内容については、ここで示している「コアエレメント」を含んでおり、運営についてもクローズド・グループで実施することや、回数、期間、こどもの年齢、ホームワークを家庭で行うことなど共通する要素がたくさんあります。
以下、3つのペアレント・トレーニングの特徴が理解できるように、プログラムの成り立ち・グループ活動の特徴・プログラムのねらいの4つの要素を表にまとめました。
3つのペアレント・トレーニングのプログラムの特徴 | ||
精研・まめの木・奈良式ペアレント・トレーニング | ||
特 徴 |
成り立ち |
米国のUCLAで開発されたADHDのあるこどもの保護者向けのプログラムを基礎としており、当初はADHDにともなう親子関係の悪化の改善と予防、こどもの適応行動を増やすことを目的としていた。現在ではASDの問題にも適用できるようにテーマと対応方法が工夫され、発達障害全般のプログラムに発展している。 |
グループ活動 | 全体での講義とグループワークで各回のテーマを学習し、その回のテーマをホームワークの課題として各家庭で実施し、次回にグループでホームワークの実施結果を参加者同士のピアサポートを大切にしながらシェアする。回数は10回程度。グループワークではとくにロールプレイを重視している。 | |
ねらいの特徴 | 発達特性による問題行動やこどもの不従順によって生じる親子関係の悪化を改善し予防することを目的とする。保護者の否定的な関心を肯定的な関心に変化させるために、こどもの適切な行動を見つけ、それをほめる(肯定的な注目を与える)ことを重視する。行動理論を基礎にしているが専門用語ではなく馴染みやすい日常的な表現で説明している。 | |
主な参考図書 | 岩坂英巳他『困っている子をほめて育てるペアレント・トレーニングガイドブック-活用のポイントと実践例―』じほう(2012) 上林靖子、北道子、河内美恵他『発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル』中央法規(2009) |
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肥前式ペアレント・トレーニング | ||
特 徴 |
成り立ち |
国立肥前療養所(現肥前精神医療センター)の行動療法の実践に基づいて、知的障害をともなうASDのこどもの保護者を共同治療者として育てるプログラムから出発し、現在はADHDに適用できるプログラムに発展している。 |
グループ活動 |
セッションの前半は全体での行動理論の講義、後半は3名程度の小グループで前半の講義の内容を家庭での実践にどのように活かすかを話し合う。回数は10回程度。ホームワークは、1つないし2つの具体的行動についての家庭記録がある。 |
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ねらいの特徴 |
前半の講義を通して、保護者が行動理論の基本を理解し、新しい問題に対して対応できるようにする。後半では、個別の問題を解決できるように、具体的な対応法の話し合いを進め、こどもの問題行動の改善や適応的な行動の定着を重視している。 |
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主な参考図書 | 大隈紘子、伊藤啓介他『AD/HDをもつ子どものお母さんの学習室』二瓶社(2005) 山上敏子他『お母さんの学習室―発達障害児を育てる人のための親訓練プログラム』二瓶社(1998) |
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鳥取大学式ペアレント・トレーニング | ||
特 徴 |
成り立ち |
応用行動分析に基づいて知的障害をともなうASDのあるこどものコミュニケーションスキルや適応的な行動の獲得を親が学習するプログラムの開発から始まり、現在は発達障害全般を対象とするプログラムに発展した。 |
グループ活動 | 講義とグループ・ワークからなり、ホームワークを各家庭で実施する。回数は6~8回程度。グループ・ワークでは家庭でよくある例をワークシートに記入したり話し合いを行う。補助治療者としてのペアレント・メンターの参加も推奨している。 | |
ねらいの特徴 | ASDあるいは知的障害が中心のため、不適切な行動への対応は環境調整と代わりとなる望ましい行動の獲得におく。ホームワークでは個々の家庭での療育的な課題やかかわりを重視している。 | |
主な参考図書 | 井上雅彦他『子育てが楽しくなる5つの魔法』アスペ・エルデの会(2012).※アスペ・エルデの会HPより販売 |
ここに紹介するのは多くの参加者に共通する感想です。参加者ひとりひとりが、学んだ知識やスキルを子どもにあわせて実践されている様子がみえてきます。
「演習シートで、自分だったら同じ場面で普段どのように言うか考えることができました。」「ロールプレイを通して、『こんな感じでやったらうまくいくのかな』と思いました。ほめるのは大事だと思いました。」
「ほめる宿題があったことで、本人の良いところを見ようという気持ちになりました。」
【ほめる】
「今までできていないことばかり注目して、できていることは”あたりまえ”と思ってほめていませんでした。25%ルールで少しでもできたらほめてあげよう、と見方を変えたらほめられるところがたくさんあることに気づけました。」
「こどものできているところ、よかったところに着目すると、冷静になれました。」
【行動の ABC 分析】
「こどもの行動に理由があるからこそ、結果があるのだとわかり、こどものことがようやく理解できたし、問題となる行動を防ぐこともできるとわかり、とてもスッキリしました。」
【環境調整】
「部屋のおもちゃを片付けて、見えないところに置き、おもちゃだけの部屋を作りました。私自身のストレスやイライラが減りました。」
「環境を整える大事さを知って、こどもと活動を始める時間を決め、ダイニングの上や周囲に興味をひくものがないようにチェックしてから宿題などを始めるようにして、ストレスがなくなりました。」
【指示】
「声のトーン、伝えるタイミング、言い方など、あらゆることを考えて指示をするので大変でしたが、コツをつかむと、こどもに響いているのが実感できて嬉しい気持ちになりました。」
【待ってからほめる(計画的な無視)】(*)
「自分の気持ちを整え、家族や親戚ともたくさん話をして、子どもに対して、待ってからほめることもできるようになりました。」
「少し見守るということがとても勉強になり、実践しています。」
*)計画的な無視:特定の行動(特に、他者からの注目を得ることがごほうびとなっているような行動)に対して、注目を与えず(無視)、対応しないこと。ペアレント・トレーニングでは、注目を外しながら「好ましい行動」が見られたらすかさずほめる手法であることから、「待ってからほめる」とも言う。
【フォローアップ】
「同じような不安や悩みを抱えているお母さんと話すと、“自分だけじゃない、大丈夫”と思えます。先輩のお母さんの話も聴けてよかったです。」
「何年か経つと、忘れてしまっていることも多く、改めて気づかされます。今日からまた実践しようと思え、よかったです。色々な情報やアドバイスが聞けてよかったです。」
ペアレント・トレーニングの終了後、2~3か月後にフォローアップセッションとして、受講した親が集まり、受講した内容の復習や最近の様子を話してもらう重要なセッションを設けています。さらにその後のフォローについては、地域の家族会やペアレント・メンター(発達障害の子を育てた経験者)の茶話会なども紹介するところもあります。そこでは地域の支援情報だけでなく、就学、進学、就労や手帳や年金のこと、家族のことなど身近なことが相談できます。
以下には参考図書やWEBサイトをしておきます。
●ペアレント・トレーニング関連本
シンシア・ウイッタム著:上林靖子・中田洋二郎・井澗知美他訳『読んで学べるペアレント・トレーニング』明石書店,2002.
井上雅彦『家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46』学研,2008.
上林靖子『発達障害の育て方がわかる!ペアレント・トレーニング』講談社,2009.
中田洋二郎『発達障害と家族支援-家族にとって障害とは何か-』学研教育出版,2009.
岩坂英巳監修,京都府中丹広域振興局健康福祉部著『ほめ方絵本』ライフ出版社,2010.
(絶版)http://www.pref.kyoto.jp/chutan/ehoken/1268635232977.html
加藤則子他『トリプルP前向き子育て17の技術-「ちょっと気になる」から「軽度発達障害」まで-』診断と治療社,2010.
高山恵子『これならできる子育て支援! 保育者のためのペアレントサポートプログラム』学研,2016.
山上敏子他『発達障害児を育てる人のための親訓練プログラム,お母さんの学習室』二瓶社,1998.
アスペ・エルデの会『楽しい子育てのためのペアレント・プログラムマニュアル 2015-2020』2015.
参考WEBサイト(URL)
●ペアレント・トレーニングおよび発達障害関連
・日本発達障害ネットワーク:JDDnet(https://jddnet.jp/)
・日本ペアレント・トレーニング研究会(https://parent-training.jp/)
・日本ペアレント・メンター研究会(https://parentmentor.jp/)
・日本自閉症協会(http://www.autism.or.jp/)
・えじそんくらぶ(https://www.e-club.jp/)
・アスペ・エルデの会(http://www.as-japan.jp/)
・全国児童発達支援協議会:CDS(http://www.cdsjapan.jp/)
・発達障害情報・支援センター(http://www.rehab.go.jp/ddis/)
・国立特別支援教育総合研究所(https://www.nise.go.jp/nc/)
以上、令和元年度障害者総合福祉推進事業「ペアレント・トレーニング実践ガイドブック」作成:一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnet 事業委員会/協力:日本ペアレント・トレーニング研究会より