放課後等デイサービスの報酬算定基準(令和3年改定版)

目次
 概要と考え方
  サービスの概要と対象について
   〇感染症や災害への対応力の強化
   〇障害福祉現場の業務効率化を図るためのICTの活用

 放課後等デイサービス給付費の考え方
 A.減算規定
  ■定員超過利用減算
  ■サービス提供職員欠如減算
  ■児童発達支援管理責任者欠如減算
  ■個別支援計画未作成減算
  ■自己評価結果等未公表減算
  ■開所時間減算
  ■障害者虐待防止の更なる推進
  ■身体拘束等の適正化
  ■身体拘束廃止未実施減算
  ■複数の減算事由に該当する場合取り扱い
 B.加算規定
  ■看護職員加配加算
  ■家庭連携加算
  ■事業所内相談支援加算
  ■利用者負担上限額管理加算
  ■福祉専門職員配置等加算
  ■欠席時対応加算
  ■特別支援加算
  ■強度行動障害児支援加算
  ■個別サポート加算【新設】
  ■医療連携体制加算【改定】
   《算定における注意事項》
  ■送迎加算
  ■延長支援加算
  ■関係機関連携加算
  ■保育・教育等移行支援加算
  ■人員基準における両立支援への配慮
   【現 行】
   【見直し後】
   〇ハラスメント対策運営基準(新設)
  ■福祉・介護職員処遇改善加算
  ■福祉・介護職員処遇改善特別加算
  ■福祉・介護職員等特定処遇改善加算
 C.報酬算定構造
  ■放課後等デイサービス給付費の報酬算定構造
  ■障害福祉サービス報酬
  ■報酬算定計算方式
  ■地域区分

 

概要と考え方

■サービスの概要と対象について

授業の終了後または学校の休業日に、児童発達支援センターなどの施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進、その他必要な支援を行うものです。

対象:学校教育第1条に規定している学校(幼稚園および大学を除く)に就学しており、授業の終了後または休業日に支援が必要と認められた障害児となります。

尚、令和3年度改定において放課後等デイサービスで冒頭触れておいた方が良いと思われる新たなサービスに組み込まれる基本概念を以下、文頭に〇を付け、記しておきます。

〇感染症や災害への対応力の強化

障害福祉サービスは障害のある方々やその家族の生活に必要不可欠なものであり、感染症や災害が発生した場合であっても、感染対策等を講じながら、利用者に対して必要なサービスが継続的に提供されるよう、これらの発生に備えた日頃からの備えや業務継続に向けた取組を推進するために、運営基準について必要な見直しを行い、その取組を基本報酬で評価することになります。

① 感染症の発生および蔓延の防止などに関する取組の義務化
・全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、運営基準において、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施を義務づけられます。その際、3年間の経過措置(準備期間)を設けることになっています。
② 業務継続に向けた計画の策定や研修・訓練などの実施の義務化
・ 感染症や災害が発生した場合でも、必要な障害福祉サービスが継続的に提供できる体制を構築する観点から、全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、運営基準において、業務継続に向けた計画の策定や研修の実施、訓練の実施などを義務づけます。その際、3年間の経過措置(準備期間)を設けることになっています。
③ 地域と連携した災害対策の推進
・ 非常災害対策が求められる通所系、施設系、居住系サービス事業者を対象に、運営基準において、訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めることを求めることとなりました。
④ 新型コロナウイルス感染症への対応に係る特例的な評価
・ 新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増しの経費が必要となることを踏まえ、令和3年9月末までの間、報酬に対する特例的な評価を行うこととし、通常の基本報酬に0.1%分の上乗せを行います。なお、同年10月以降については、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域における障害福祉サービス等の実態を踏まえ、必要に応じ柔軟に対応することになっています。

〇障害福祉現場の業務効率化を図るためのICTの活用

障害福祉現場の業務効率化を図るため、下記の運営基準や報酬算定上必要となる委員会等、身体的接触を伴わない、または必ずしも対面で提供する必要のない支援について、テレビ電話装置等を用いた支援が可能であるものに関しては積極的に取り組むことを推進します。

放課後等デイサービス給付費の考え方

放課後等デイサービス給付費については、利用者の状態を勘案した指標を設定したうえで、状態像の区分および人員配置、利用定員に応じて、1日あたりの報酬を設定します。また、1日に提供するサービスの時間が短い事業所については、人件費等のコストを踏まえた報酬を設定します。
また、共生型放課後等デイサービスおよび基準該当放課後等デイサービスについては、本来的な放課後等デイサービスの基準を満たしていないため、本来の報酬単位とは区別して設定することになっています。
 令和3年度の改定によって放課後等デイサービスについて、現行の事業所を2区分に分けて報酬設定する方法(※)を改め、より手厚い支援を必要とする子どもに応じて、きめ細かく(3時間以上を「区分1」、3時間未満を「区分2」とし)以下の加算を算定するようになります。
(※)これまでは、一定の指標に該当する障害児の数が5割以上である場合を「区分1」、5割未満を「区分2」として、基本報酬を2段階に設定していました。

イ)障害児(重症心身障害児を除く)に授業終了後放課後等デイサービスを行う場合

指標規定区分利用定員

区分1(3時間以上)
医療的ケア児32点以上
区分1(3時間以上)
医療的ケア児16点以上32点未満
区分1(3時間以上)
医療的ケア児16点未満
区分1(3時間以上)
それ以外
区分2(3時間未満)
医療的ケア児32点以上
区分2(3時間未満)
医療的ケア児16点以上32点未満
区分2(3時間未満)
医療的ケア児16点未満
区分2(3時間未満)
それ以外
10人以下 2,604単位/日 1,604単位/日 1,271単位/日 604単位/日 2,591単位/日 1,591単位/日 1,258単位/日 591単位/日
11人以上20人以下 2,402単位/日 1,402単位/日 1,069単位/日 402単位/日 2,393単位/日 1,393単位/日 1,060単位/日 393単位/日
21人以上 2,302単位/日 1,302単位/日 969単位/日 302単位/日 2,295単位/日 1,295単位/日 962単位/日 265単位/日

ロ)障害児(重症心身障害児を除く)に休業日に放課後等デイサービスを行う場合

指標規定区分
利用定員
医療的ケア児
32点以上
医療的ケア児
(16点以上32点未満
医療的ケア児
16点未満
それ以外
10人以下 2,721単位/日 1,721単位/日 1,388単位/日 721単位/日
11人以上20人以下 2,480単位/日 1,480単位/日 1,147単位/日 480単位/日
21人以上 2,372単位/日 1,372単位/日 1,039単位/日 372単位/日

▼指標シェックシート 合計/ 点

項目 0点 1点 2点 評価
コミュニケーション 1.日常生活に支障がない 2.特定の者であればコミュニケーションできる
3.会話以外の方法でコミュニケーションできる
4.独自の方法でコミュニケーションできる
5.コミュニケーションできない
 
説明の理解 1.理解できる 2.理解できない 3.理解できているか判断できない  
大声・奇声を出す 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
異食行動 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
移動・行動停止 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
不安定な行動 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  

自らを傷つける行動

1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
他人を傷つける行動 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
不適切な行動 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
突発的な行動 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
過食・反すう等 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
てんかん 1.年に1回以上 2.月に1回以上 3.週に1回以上  
そううつ状態 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
反復的行動 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
対人面の不安緊張、集団への不適応 1.支援が不要 2.希に支援が必要 3.月に1回以上の支援が必要 4.週に1回以上の支援が必要 5.ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要  
読み書き 1.支援が不要 2.部分的な支援が必要 3.全面的な支援が必要  

指標規定該当…評価の合計が13点以上である児童の数が児童全体の50%以上であること
ハ)重症心身障害児に放課後等デイサービスを行う場合

・授業終了後に行う場合

利用定員 5人 6人 7人 8人 9人 10人 11人以上
授業終了後 1,756単位/日 1,467単位/日 1,263単位/日 1,108単位/日 989単位/日 893単位/日 686単位/日

・休業日に行う場合

利用定員 5人 6人 7人 8人 9人 10人 11人以上
休業日 2,038単位/日 1,706単位/日 1,466単位/日 1,288単位/日 1,150単位/日 1,039単位/日 810単位/日

ニ)共生型放課後等デイサービス給付費
 ・授業終了後に行う場合……426単位/日
 ・休業日に行う場合  ……549単位/日
ホ)基準該当放課後等デイサービス給付費
 (1)基準該当放課後等デイサービス給付費(Ⅰ)
    ※指定通所基準第71条の3から第71条の6までの規定による基準に適合する基準該当放課後等デイサービス事業所であること。
   ・授業の終了後に行う場合……529単位/日
   ・休業日に行う場合   ……652単位/日
 (2)基準該当放課後等デイサービス給付費(Ⅱ)
    ※指定通所基準第71条の6において準用する指定通所基準第第54条の10から第54条の12までの規定による基準該当放課後等デイサービス事業所であること。
   ・授業の終了後に行う場合……426単位/日
   ・休日に行う場合    ……549単位/日

新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増しの経費が必要となることなどを踏まえ、令和3年9月末までの間、報酬に対する特例的な評価を行うこととし、通常の基本報酬に0.1%分の上乗せを行います。なお、同年10月以降については、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域における障害福祉サービス等の実態を踏まえ、必要に応じ柔軟に対応することになっています。
※令和3年9月30日までの間は、基本報酬について、所定単位数の1,001/1,000に相当する単位数を算定します。

A.減算規定

■定員超過利用減算

先ず、基となる算定される単位数は、所定単位数の100分の70となっています。が、これから説明する所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数であり、各種加算を含めた単位数の合計数が100分の70となるものではないことに注意する必要があります。
利用定員を上回る障害児を利用させている定員超過利用について、厚生労働大臣が定める障害児の数の基準、それと従業者の人数の基準および営業時間の時間数並びに所定単位数に乗じる割合の規定にもとづき、障害児通所給付費の減額をおこなうものとしています。これは適正なサービス提供を確保するための制度であり、指定障害児通所支援事業所(放課後等デイサービスも含む)は、この範囲を超える過剰な定員超過を未然に防止を努めさせるものです。

《1日当たり利用実績による定員超過利用減額の取り扱い》
 ① 利用定員50人以下の放課後等デイサービスの場合
  1日の利用障害者の数が、利用定員に100分の150を乗じて得た数を越える場合に、当該1日について利用者全員につき減額を行うものとなります。
 ② 利用定員51人以上の放課後等デイサービスの場合
  1日の利用者数が利用定員から50を差し引いた数に100分の125を乗じて得た数に、75を加えて得た数を越える場合に、当該1日について利用者全員につき減額を行うものとなります。

《過去3ヶ月間の利用実績による定員超過利用減額の取り扱い》
直近の過去3カ月間の利用者の延べ数が、利用定員に開所日数を乗じて得た数に100分の125を乗じて得た数を超える場合に、その1月間について利用者全員につき減算を行うものとなります。

例:利用定員30人、1月の開所日数が22日の施設の場合
  30人×22日=1,980人
  1,980人×1.25=2,475人(受入れ可能述べ利用者数)
  ※3カ月間の総述べ利用者数が2,475人を超える場合に減算となる。

但し、定員(多機能型事業所においては、複数のサービスの利用定員の合計)が11人以下の場合は、過去3カ月間の利用者の述べ数が、利用定員に3を加えて得た数に開所日数を乗じて得た数を超える場合に減額を行うものとなります。

■サービス提供職員欠如減算

放課後等デイサービスに置くべき児童指導員、保育士もしくは障害福祉サービス経験者の指定基準として定められている人員基準を満たしていない場合(①障害児数10人までの場合=2名以上必要、うち1名以上は常勤、②障害児数10人を超える場合、障害児の数が11名~15名の場合2+1、16名~20名の場合2+2のように5名以下毎に1を加える必要がある)、1割を超えて欠如した場合にはその翌月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの期間を、1割の範囲内で欠如した場合にはその翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの期間を以下の通りの障害児全員について欠如減算が適用となります。(但し、常勤または専従の場合、翌月の末日において人員基準を満たしている場合は適用されません。)

① 減算が適用される月から3月未満(2月目)の月については、所定単位数の100分の70となります。
② 減額が適用される月から連続して3月以上の月については、所定単位数の100分の50となります。
 ※ここに記した所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とします。各種加算を含めた単位数の合計数に減算するものではないことに注意して下さい。

■児童発達支援管理責任者欠如減算

放課後等デイサービスにおける児童発達支援管理責任者の指定基準が定める人員基準は、専任・常勤で1名以上が必要となっています。この基準を満たしていない場合、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの期間を、以下の通りの障害児全員について欠如減算が適用となります。(但し、常勤または専従の場合、翌月の末日において人員基準を満たしている場合は適用されません。)
 ① 減算が適用される月から5月未満(4月目)の月については、所定単位数の100分の70となります。
 ② 減額が適用される月から連続して5月以上の月については、所定単位数の100分の50となります。
 ※ここに記した所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とします。各種加算を含めた単位数の合計数に減算するものではないことに注意して下さい。

■個別支援計画未作成減算

個別支援計画未作成減算は、サービス提供に当たって指定通所基準(第71条または第71条の6において準用する指定通所基準第27条の基準)に従い、放課後等デイサービス計画(通所支援計画または入所支援計画に準ずる)の作成が適切に行われていない場合、障害児通所給付費を減額するというものです。これは指定通所基準の通所支援計画に係わる規定を尊守するためのものです。
具体的な取り扱いは、次のいずれかに該当する月からこのような状態が解消されるに至った月の前月まで、次のいずれかに該当する障害児につき減算することになります。
イ)児童発達支援管理責任者による指揮の下、放課後等デイサービス計画が作成されていないこと。
ロ)指定通所基準または指定入所支援基準に規定する通所支援計画の作成に係わる一連の業務が適切に行われていないこと。
 算定される単位数は、以下の通りです。

① 減算が適用される月から3月未満の月(2月目)については、所定単位数の100分の70となります。
② 減算が適用される月から連続して3月以上の月については、所定単位数の100分の50となります。
 ※①②の所定単位数は、各種加算(児童指導員等配置加算および訪問支援員特別加算を除く)がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数について減算するものではないことに注意してください。

■自己評価結果等未公表減算

自己評価結果等未公表減算(「自己評価結果等」とは、質の評価および改善の内容を指す)とは、事業所が自ら評価を行うとともに、障害児およびその保護者による評価を受け、その結果を事業運営に反映させて、常に質の改善を図るためのものです。よって指定通所基準の規定に基づき、自己評価結果などの公表が適切に行われていない場合に、通所報酬告示の規定に基づき、障害児通所給付費を減算するものです。
 
 減算される単位数は、単位数の100分の85となります。
 
尚、この所定単数は、各種加算(児童指導員等配置加算を除く)がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数の100分の85となるものではないことに注意して下さい。
公表方法については、インターネットの利用その他の方法により広く公表し、その公表方法および公表内容を都道府県に届けることが必要となります。

■開所時間減算

開所時間減算とは、学校の休業日における運営規定に定められた営業時間が6時間未満の場合に減算するものです。以下のことを注意し、減算を行うようにして下さい。
 ア)ここでいう「営業時間」には、送迎のみを実施する時間は含まれません。
 イ)個々の障害児の実利用時間は問いません。
   例えば、6時間以上開所しているが、障害児の事情によってサービス提供時間が6時間未満となった場合は、減算の対象とはなりません。また、5時間開所しているが、利用者の事情によってサービス提供時間が4時間未満となった場合には、4時間以上6時間未満の場合の割合を乗ずることとなります。
 算定される単位数……開所時間4時間未満 所定単位数の100分の70
           開所時間4時間以上6時間未満 所定単位数の100分の85
 ※尚、この所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数  に乗じるもではないことに注意してください。

■障害者虐待防止の更なる推進

・ 障害者虐待防止の更なる推進のため、運営基準に以下の内容を盛り込みます。その際、施設・事業所が対応するためには一定の時間を要すると見込まれるため、まずは令和3年度から努力義務化した後、1年間の準備期間を設け、令和4年度から義務化します。また、小規模な事業所においても過剰な負担と
ならず、効果的な取組を行うことができるよう、具体的な方法等を示しました。
イ 虐待防止委員会(※)の設置等の義務化をします。
ロ 従業者への研修の実施の義務化をします
ハ 虐待の防止等のための責任者の設置の義務化をします
(※)虐待防止委員会に求められる役割は、虐待の未然防止、虐待事案発生時の検証や再発防止策の検討

【現 行】
① 従業者への研修実施(努力義務)
② 虐待の防止等のための責任者の設置(努力義務)
【見直し後】※令和4年度から義務化
① 従業者への研修実施(義務化
虐待防止のための対策を検討する委員会として虐待防止委員会を設置するとともに、委員会での検討結果を従業者に周知徹底(義務化)
③ 虐待の防止等のための責任者の設置(義務化

■身体拘束等の適正化

身体拘束当の適正化は次に記す身体拘束廃止未実施減算と深くかかわる項目なので、ここに記すことにします。
① 身体拘束等の適正化の更なる推進のため、運営基準において施設・事業所が取り組むべき事項を追加するとともに、減算要件の追加を行うものとします。その際、施設・事業所が対応を行うためには一定の時間を要すると見込まれるため、以下のような措置をおこないます。
・ まずは令和3年度から1年間の努力義務化の準備期間を設けた後、令和4年度から義務化します。
・ 減算の要件追加については令和5年4月から適用することとする。なお、虐待防止の取組で身体拘束等の適正化について取り扱う場合には、身体拘束等の適正化に取り組んでいるものと扱います。
② 訪問系サービスについても、知的障害者や精神障害者も含め対象としており、身体拘束が行われることも想定されるため、運営基準に「身体拘束等の禁止」の規定を設けるとともに、「身体拘束廃止未実施減算(令和5年4月から適用)」を創設します。
今回追加する運営基準について、
・ 現在、その他のサービスにおいて義務となっている「やむを得ず身体拘束等を行う場合の記録」については、令和3年4月から義務化となっています。
・ その他のサービスにおいて今回改正で追加する事項については、令和3年度から1年間の努力義務化の準備期間を設けた後、令和4年度から義務化することとする。なお、虐待防止の取組で身体拘束等の適正化について取り扱う場合には、身体拘束等の適正化に取り組んでいるものと扱います。

【現 行】
身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録することになっていました。
【見直し後】一部新設
① 身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録すること。
② 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること。(令和3年度は努力義務化、令和4年度から義務化)
③ 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。(令和3年度は努力義務化、令和4年度から義務化)
④ 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。(令和3年度は努力義務化、令和4年度から義務化)

■身体拘束廃止未実施減算

次の基準のいずれかを満たしていない場合に、基本報酬を減算する。
① 身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録すること
② 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること(令和5年4月から適用)
③ 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること(令和5年4月から適用)
④ 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること(令和5年4月から適用)
身体拘束廃止未実施減算とは、施設において身体拘束が行われていた場合ではなく、指定障害福祉サービス基準または指定障害者支援施設基準の規定にもとづき求められている記録が行われていない場合に、入所者全員について所定単位から減算することになります。
具体的には、記録を行っていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月の翌月か3月後に改善計画にもとづく改善状況を都道府県知事に報告することになっています。
事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、入所者全員について所定単位数から減算することになります。
算定される単位数は、一日につき5単位を所定単位数から減算となります。
いずれにしても、身体拘束等の廃止を強化するための措置です。

■複数の減算事由に該当する場合取り扱い

複数の減算事由に該当する場合の報酬の算定については、それぞれの減額割合を乗ずることになりますが、「定員超過利用」と「人員欠如」の双方の事由に該当する場合については、減算となる単位数が大きい方についてのみ減算することになります。減算となる単位数が同じ場合は、いずれか一方の事由のみに着目して減算を行います。尚、減算を適用するにあたっては、その事業所の運営実態を踏まえて判断してください。
【例1】定員超過利用減算について所定単位数の100分の70に、人員欠如減算について所定単位数の100分の50に該当する場合は⇒所定単位数の100分の50の報酬を算定する。
【例2】定員超過利用減算について所定単位数の100分の70に、人員欠如減算について所定単位数の100分の70に該当する場合は⇒所定単位数の100分の70の報酬を算定する。

以上の「A. 減算規定」には、付帯事項として以下のことがあるので注意するようにして下さい。
※都道府県知事には、以上の減算規定を尊守するよう指導の義務が明記されており、特別な事情がある場合を除いて、上記の指導に従わない場合には、指定の取り消しも検討されるとあります。

B.加算規定

常時見守りが必要な就学児への支援や就学児の保護者に対する支援方法の指導を行うなど支援の強化を図るために、人員配置基準上必要となる従業者の員数に加え、理学療法士、児童指導員またはその他の従業者(作業療法士、言語聴覚士、保育士など)を配置している場合に、資格等の種類、事業所の態様などに応じて加算するものです。令和3年度の改定により、支援の質を向上させるための従業者要件の見直し(障害福祉サービス経験者を廃止)を行いました(経過措置有り)。さらに、難聴児の早期支援に向けて、児童指導員等加配加算の対象資格に手話通訳士および手話通訳者を追加します。

◎障害児(重症心身障害児を除く)に対し以下の指導員を配置し放課後等デイサービスを行う場合
 条件…理学療法士、児童指導員、その他の従業者を1人以上配置していること。
    児童指導員、保育士を2名以上(常勤換算)していること。

  理学療法士を配置 児童指導員を配置 その他従業員を配置
利用定員10人以下 187単位/日 123単位/日 90単位/日
11人以上20人以下 125単位/日 82単位/日 60単位/日
21人以上 75単位/日 49単位/日 36単位/日

◎重症心身障害児に対し以下の指導員を配置し放課後等デイサービスを行う場合
 条件…重症心身障害児に対する給付費を算定していること。
    放課後等デイサービス給付費の算定に必要となる従業員の員数に加え、理学療法士、非道指導員、
              またはその他の従事者を1名以上配置(常勤換算)していること。

  理学療法士を配置 児童指導員を配置 その他従業員を配置
利用定員5人 374単位/日 247単位/日 180単位/日
利用定員6人 312単位/日 206単位/日 150単位/日
利用定員7人 267単位/日 176単位/日 129単位/日
利用定員8人 234単位/日 154単位/日 113単位/日
利用定員9人 208単位/日 137単位/日 100単位/日
利用定員10人 187単位/日 123単位/日 90単位/日
利用定員11人以上 125単位/日 82単位/日 60単位/日

専門的支援加算新設】:専門的支援を必要とする児童のため専門職の配置を評価します。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、国リハ視覚障害学科履修者を常勤換算で1以上配置した場合の評価です。

〇障害児(重症心身障害児を除く)の場合

利用定員 10人以下 11人以上20人以下 21人以上
専門的支援加算 187単位/日 125単位/日 75単位/日

〇重症心身障害児の場合

利用定員 5人 6人 7人 8人 9人 10人 11人以上
専門的支援加算 374単位/日 312単位/日 267単位/日 234単位/日 208単位/日 187単位/日 125単位/日

■看護職員加配加算

◎加算に必要となる判定スコア
(1)レスビレーター管理=8
(2)気管内挿管、気管切開=8
(3)鼻咽頭エアウェイ=5
(4)O₂吸入またはspO₂90パーセント以下の状態が10パーセント以上=5
(5)1回/時間以上の頻回の吸引=8
   6回/日以上の頻回の吸引=3
(6)ネブライザー6回/日以上または継続使用=3
(7)IVH=8
(8)経管(経鼻・胃ろうを含む)=5
(9)腸ろう・腸管栄養=8
(10)接続注入ポンプ使用(腸ろう・腸管栄養時)=3
(11)継続する透析(腹膜潅流を含む)=8
(12)定期導尿3回/日以上=5
(13)人工肛門=5

①看護職員加配加算(イ)
以下のa、またはbのいずれかを、またはcを満たす場合に算定することになります。
a.放課後等デイサービス事業所の指定通所基準に定める員数に加え、看護職員を1名以上配置(常勤換算)しているか、医療的ケアに関する判定スコアにある状態かのいずれかに該当する障害児の数が1以上である場合。
b.主として重症心身障害児を通わせる放課後等デイサービスにあっては、指定通所基準に定める員数に加え、看護職員を1名以上配置(常勤換算)し、医療的ケアに関する判定スコア8点以上の障害児の数(定員5名の事業所に限り、16点以上の障害児についてはその障害児1名で2分として算定)が5以上である場合。
c.医療的ケアが必要な障害児に対して支援を提供することができる旨を公表していること。なお、公表方法については、インターネットの利用その他の方法により広く公表するものである場合。
◎令和3年度改定で障害児に対し放課後等デイサービスを行った場合(重症心身障害児の場合は除く)の加算はなくなりました。
◎重症心身障害児に対し放課後等デイサービスを行った場合の加算単位数

利用者定員数 5人 6人 7人 8人 9人 10人 11人以上
看護職員加配加算(Ⅰ) 400単位/日 333単位/日 286単位/日 250単位/日 222単位/日 200単位/日 133単位/日

②看護職員加配加算(ロ)
 以下のa、またはbのいずれかを、またはcを満たす場合に算定することになります。
 a.放課後等デイサービス事業所の指定通所基準に定める員数に加え、看護職員を2名以上配置(常勤換算)しているか、医療的ケアに関する判定スコア8以上の障害児の数が5以上である場合。
b.主として重症心身障害児を通わせる放課後等デイサービスにあっては、指定通所基準に定める員数に加え、看護職員を2名以上配置(常勤換算)し、医療的ケアに関する判定スコア8点以上の障害児の数が9以上である場合。
c.医療的ケアが必要な障害児に対して支援を提供することができる旨を公表していること。尚、公表方法については、インターネットの利用その他の方法により広く公表するものである場合。
◎令和3年度改定で障害児に対し放課後等デイサービスを行った場合(重症心身障害児の場合は除く)の加算はなくなりました。
◎重症心身障害児に対し放課後等デイサービスを行った場合の加算単位数

利用者定員数 5人 6人 7人 8人 9人 10人 11人以上
看護職員加配加算(Ⅰ) 800単位/日 666単位/日 572単位/日 500単位/日 444単位/日 400単位/日 266単位/日

令和3年度の改定により看護職員加配加算は以上の(イ)と(ロ)の二つの加算体系になりました

※1 (イ)(ロ)については、いずれか一つを算定することになります。
※2 (イ)(ロ)における障害児の数の算出方法の詳細は以下のとおり行って下さい。
あ)当該年度の前年度の延べ利用人数を用いる。尚、年度とは、毎年4月1日に始まり翌年3月31日もって終りとします。
い)医療的ケアに関する判定スコアにある状態のいずれかに該当する障害児または医療的ケアに関する判定で8点以上の障害児の当該年度の前年度の述べ利用人数を当該前年度の開所日数で除して得た数とします。尚、この割合の算出に当たっては、小数点第2位以下を切り上げます。

う)児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所における医療的ケアが必要な障害児(判定8点以上)については、障害児の数を合算して算出します。
え)新設、増改築等(現存する事業所であって直近1か年に看護職員加配加算を算定していな   いものを含む)の場合の障害児の数については以下の通りです。
    ⅰ)新設または増改築などを行った場合に関して、前年度において1年未満の実績しかない  場合(前年度の実績が全くない場合も含む)の障害児の数は、新設または増改築の時点から3月未満の間は、体制届の提出までの在籍者数(契約者数)のうち、医療的ケアが必要な障害児(判定8点以上)の数により判断することとします。
新設または増改築の時点から3月以上1年未満の間は、新設または増改築の時点から3月における医療的ケアが必要な児童(判定8点以上)の延べ利用人数を3月間の開所日数で除して得た数とします。

新設または増改築の時点から1年以上経過している場合は、直近1年間における医療的ケアが必要な障害児(判定8点以上)の述べ利用人数を1年間の開所日数で除して得た数とします。
    ⅱ)定員が減少する場合には、減少後の実績が3月以上あるときは、減少後3月における医 療的ケアが必要な障害児(判定8点以上)の述べ利用人数を3月間の開所日数で得た数とします。
    ⅲ)これにより難い合理的な理由がある場合で、都道府県知事(指定都市または児童相談所設置市においては市長)が認めた場合は、他の適切な方法により、障害児の数を推定することができるものとします。
お)加算創設当初の措置として、平成31年3月31日時点において現存する事業所にあっては、平成31年4月1日時点の在籍者数(契約者数)のうち、医療的ケアが必要な障害児(判定8点以上)の数により判断します。また、導入後3月経過後は、3月における医療的ケアが必要な障害児(判定8点以上)の述べ利用人数を3月間の開所日数で除して得た数とします。

■家庭連携加算

(令和3年改定で訪問支援特別加算と統合され、家族支援の充実強化を図るための加算が見直しされました。)
放課後等デイサービス事業所は、障害児の健全育成を図る観点から放課後等デイサービス計画に基づき、あらかじめ通所給付決定保護者の同意を得て、就学児の居宅を訪問して就学児およびその家族に対する相談援助などの支援を行った場合に、1月につき4回を限度として、その内容の放課後等デイサービスを行うのに要する標準的な時間で所定単位数を加算します。
加算単位数は以下の通りです。
イ)所要時間1時間未満の場合 187単位/回
ロ)所要時間1時間以上の場合 280単位/回
※尚、保育所または学校などの対象となる障害児が長時間所在する場所において支援を行うことが効果的であると認められる場合については、その保育所や学校および通所給付決定保護者の同意を得た上で、保育所や学校を訪問し、障害児およびその家族らに対する相談援助などの支援を行った場合には、この加算を算定しても差し支えはありません。その場合、支援を行う際には、保育所や学校の職員(対象となる障害児の常時接する者)との緊密な連携を図ることを忘れないようにして下さい。

■事業所内相談支援加算

放課後等デイサービス事業所の従業者が、放課後等デイサービス計画に基づき、あらかじめ通所給付決定保護者の同意を得て、就学児およびその家族に対する相談援助を行った場合、1月に1回を限度として、所定単位数を加算します。
 加算単位数は以下の通りです。
イ)事業所内相談支援加算 100単位/回(個別面接の場合)
ロ)事業所内相談支援加算  80単位/回(グループ面接の場合)
 但し、相談援助が30分に満たない場合と、同じ日に前項の「家庭連携加算」または次項の「訪問支援特別加算」を算定している場合は、算定は不可となります。
 注意すべきことは、相談援助を行った場合は、必ず行った日時および相談内容の要点を記録することを忘れないようにしてください。また、相談援助を行うにあたって、必ずしも事業所内で行う必要はありませんが、障害児およびそのご家族が相談しやすいよう周囲の環境には十分配慮するようにしてください。

■利用者負担上限額管理加算

放課後等デイサービス事業所または共生型放課後等デイサービス事業所が通所給付決定保護者から依頼を受け、指定通所基準(第71条または第71条の2に準用する第24条)の規定により、通所利用者負担額合計額の管理を行った場合、1月につき所定単位数150を加算します。
 尚、負担額が負担上限額を実際に越えているか否かは算定の条件とはなりません。

■福祉専門職員配置等加算

福祉専門職員配置等加算とは、良質な人材確保とサービスの質の向上を図る観点から、条件に応じて加算するものです。
 その条件と加算単位数を以下に記します。
イ)福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)
  常勤の児童指導員のうち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士または公認心理士の資格保有者が、35%以上雇用されている事業所=15単位/日
  尚、「常勤」とは正規・非正規雇用に係わらず、各事業所において定められる常勤の従業者が勤務すべき時間数に達している従業者をいいます。
ロ)福祉専門職員配置等加算(Ⅱ)
  常勤の児童指導員のうち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士または公認心理士の資格保有者が、25%以上雇用されている事業所=10単位/日
  但し、イの加算(Ⅰ)を算定している場合は算定できません。
ハ)福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)
  児童指導員、保育士のうち、常勤職員が75%以上または勤続3年以上の常勤職員が30%以上の事業所=6単位/日
  尚、「3年以上」とは、加算の申請を行う前月の末日時点における勤続年数とします。
勤続年数の算定に当たっては、当該の事業所における勤続年数に加え同一法人の経営する他の障害児通所支援事業、障害児入所施設、障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律に定める障害福祉サービス事業(旧法施設を含む)および精神障害者生活訓練施設、精神障害者授産施設、精神障害者福祉ホーム、小規模通所授産施設、地域生活支援事業の地域活動支援センターなどの事業、障害者就業・生活支援センター、病院、社会福祉施設などにおいてサービスを利用者に直接提供する職員として勤務した年数を含めることができます。
また、勤続年数の算定については、非常勤で勤務していた期間も含めます。
  但し、イとロの加算(Ⅰ)(Ⅱ)を算定している場合は算定できません。

■欠席時対応加算

欠席時対応加算(Ⅰ)
利用する障害児が急病などにより利用を中止した際に、障害児またはその家族などと連絡調整やその他の相談援助を行い、対象となる障害児の状況や相談援助の内容を記録した場合に、月に4回まで所定の94単位/回を加算します。但し、重症心身障害児を支援する事務所は、定員充足率80%未満の場合は、月に8回を限度とし算定します。

欠席時対応加算(Ⅱ)新設
 極端な短時間(30分以下)のサービス提供については報酬(基本報酬及び加算)を算定しないこととします。ただし、放課後等デイサービス計画に基づき、徐々に在所時間数を延ばす必要性を市町村が認めた就学児については、この限りではありません。また、利用児童の体調不良などにより、結果的に短時間(30分以下)のサービス提供となった場合は、欠席時対応加算(Ⅱ)の算定を可能とします。
◎欠席時対応加算(Ⅱ)【新設】94単位/回

以下には欠席時対応加算(Ⅰ)(Ⅱ)の注意すべき点をあげておきました。
 1)加算の算定に当たっては、急病などによりその利用を中止した日の前々日、前日または当日に中止の連絡があった場合に算定可能となります。
 2)「障害児またはその家族などとの連絡調整やその他の相談援助を行う」とは、電話などにより対象となる障害児の状況を確認し、引き続き当該の放課後等デイサービスの利用を促すなどの相談援助を行うとともに、その内容を記録することであり、直接の面会や自宅への訪問を要するものではありません。

■特別支援加算

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員または看護職員などを配置し、特別支援加算の対象となる障害児(加算対象児)に、自立生活に必要な日常生活動作や運動機能に係わる訓練または心理指導のための計画(特別支援計画)を作成し、それに基づいた適切な訓練・心理指導を行った場合、加算対象児1人に対し1日につき所定単位数54(単位/日)を加算します。
 特別支援計画を作成したら、実施状況の把握を行うとおともに、加算対象児の生活全般の質を向上させるための課題を明確にし、必要に応じて特別支援計画の見直しを行うようにして下さい。また、特別支援計画の作成または見直しを行う場合は、必ず加算対象児に係わる通所給付決定保護者や加算対象児に説明するとともに同意を得るようにして下さい。
 加算対象児ごとに訓練記録を作成することも忘れないようにして下さい。

■強度行動障害児支援加算

強度行動障害児とは、以下の行動障害の強度を測る表で算出した点数の合計が20点以上であると市町村が認めた障害児を言います。

行動障害の内容 1点 3点 5点
ひどく自分の体を叩いたり傷つけたりする行動 週に1回以上 一日に1回以上 1日中
ひどく叩いたり蹴ったりする行動 月に1回以上 週に1回以上 1日に頻回
激しいこだわり 週に1回以上 一日に1回以上 1日に頻回
激しい器物破損 月に1回以上 週に1回以上 1日に頻回
睡眠障害 月に1回以上 週に1回以上 ほぼ毎日
食べられないものを口に入れたり、過食、反すうなどの食事に関する行動 週に1回以上 ほぼ毎日 ほぼ毎食
排せつに関する強度の障害 月に1回以上 週に1回以上 ほぼ毎日
著しい多動 月に1回以上 週に1回以上 ほぼ毎日
通常と違う声を上げたり、大声を出すなどの行動 ほぼ毎日 1日中 絶えず
沈静化が困難なパニック     あり
他人に恐怖感を与える程度の粗暴な行為     あり

放課後等デイサービス事業所または共生型放課後デイサービス事業所は強度行動障害児支援者養成研修(基礎研修)を修了した職員を配置し、強度行動障害を有する障害児に対して支援を行った場合、1日につき所定単位数を加算します。=155単位/日
 但し、「重症心身障害児に放課後等デイサービスの給付」を算定している場合は、加算できないことになっています。

■個別サポート加算【新設

個別サポート加算Ⅰ :ケアニーズの高い児童(著しく重度および行動上の課題のある児童)への   支援を評価(1日につき100単位を加算)
個別サポート加算Ⅱ :虐待等の要保護児童等への支援について評価(1日につき125単位を加算)

■医療連携体制加算【改定

医療関係などの連携によって看護職員が事業所を訪問し障害児に対して看護を行った場合や介護職員などに痰の吸引などに係わる指導を行った場合、所定単位数を加算するものです。
 詳しい加算は以下のようになります。

区分 加算単位数 要件
医療連携体制加算(Ⅰ) 32単位/日 医療的ケアを必要としない利用者に対する看護であって、看護の提供時間が1時間未満である場合
医療連携体制加算(Ⅱ) 63単位/日 医療的ケアを必要としない利用者に対する看護であって、看護の提供時間が1時間以上2時間未満である場合
医療連携体制加算(Ⅲ) 125単位/日 医療的ケアを必要としない利用者に対する看護であって、看護の提供時間が2時間以上である場合
医療連携
体制加算(Ⅳ)
利用者1人 800単位/日 医療的ケアを必要とする利用者に対する看護であって、看護の提供時間が4時間未満である場合
利用者2人 500単位/日
3人以上8人以下 400単位/日
医療連携
体制加算(Ⅴ)
利用者1人 1,600単位/日 医療的ケアを必要とする利用者に対する看護であって、看護の提供時間が4時間以上である場合
利用者2人 960単位/日
3人以上8人以下 800単位/日
医療連携体制加算(Ⅵ) 500単位/日 看護職員が事業所を訪問して障害児1人に対して看護を4時間以上である場合
医療連携体制加算(Ⅶ) 100単位/日 看護職員が事業所を訪問して障害児(2~8人)に対して看護を4時間以上である場合

《算定における注意事項》

・医療連携体制加算(Ⅰ) (Ⅱ) (Ⅲ)は、「重症心身障害児に放課後等デイサービスの給付」や「看護職員加配加算」を算定している場合は、算定できません。
・医療連携体制加算(Ⅳ)は、医療連携体制加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅴ)(Ⅵ)(Ⅶ)または「重症心身障害児に放課後等デイサービスの給付」や「看護職員加配加算」を算定している場合は、算定できません。
・医療連携体制加算(Ⅴ)(Ⅵ)(Ⅶ)は、医療連携体制加算(Ⅰ)(Ⅱ)または「重症心身障害児に放課後等デイサービスの給付」や「看護職員加配加算」を算定している場合は、算定できません。
◎医療連携体制加算取り扱いについて
・あらかじめ医療連携体制加算に係わる業務については、医療機関と委託契約を締結し、障害児に対する看護の提供、または放課後等デイサービス事業従事者に対する喀痰吸引に係わる指導に必要な費用を医療機関に支払うこととなります。尚、連携する医療機関の医師から看護の提供または喀痰吸引に係わる指導や指示を受けるようにしてください。
・対象となる障害児に必要な情報を保護者、主治医をつうじ、あらかじめ入手し、本人の同意を得て連携する医療機関に提供するように努めて下さい。
・看護職員の派遣については、同一法人内の他の施設に勤務する看護職員に依頼することも可能です。他の事業所の配置基準を尊守した上で、医師の指示を受けて支援の提供を行うようにして下さい。
・看護の提供または喀痰吸引に係わる指導上必要となる衛生材料、医療品などの費用は放課後等デイサービス事業所が負担することになります。尚、医薬品などが医療保険の算定対象となる場合は、適正な診療報酬を請求して下さい。
・医療連携体制加算(Ⅴ)(Ⅵ)(Ⅶ)における「一日当たりの訪問時間」については、連続した時間である必要はなく、1日における訪問時間を合算したものとします。

■送迎加算

送迎加算とは、居宅または学校と事業所との間の送迎を行った場合の加算です。送迎については、利用者の利便性を考慮し、適切な方法で事業所の最寄りの駅や集合場所まで行ったものについても、この加算を算定して差し支えありません。但し、事前に通所給付決定保護者の同意の上、特定の場所を定めておく必要があります。
・障害児(重症心身障害児を除く)の場合 片道につき54単位/回
医療的ケアを行うため手厚い体制(喀痰吸引が必要な障害児のため看護職員を伴うなど)を整えている場合は、さらに 片道につき+37単位/回
・重症心身障害児の場合 片道につき37単位/回
※尚、障害児・重症心身障害児ともに同一敷地内の場合は上記の加算単位数の70%となります。但し、医療的ケアを行うための手厚い体制をしている場合は、+37単位をする前の54単位について掛かるものです。
・平成30年度障害福祉サービス等報酬改定の送迎加算は検討する事項とされていました。が、放課後等デイサービスの送迎加算については、送迎の実施に関する実態調査の結果を踏まえ、利用者の自立能力の獲得を妨げないよう配慮することなどを改めて周知することとし、送迎加算の現行の枠組みは維持します。

■延長支援加算

延長支援加算とは、*運営規定に定められている営業時間が8時間以上であり、営業時間の前後の時間(延長時間帯)において支援を行った場合に、1日の延長支援に要した時間に応じて算定するものです。詳しい算定のための時間区分とそれに伴う加算単位数は以下の通りです。

対象者      時間 1時間未満 1時間以上2時間未満 2時間以上
障害児(重症心身障害児除く) 61単位/日 92単位/日 123単位/日
重症心身障害児 128単位/日 192単位/日 256単位/日

*運営規定とは…厚生労働大臣が定める施設基準(平成24厚労告269・第12号)のことで、以下のイからハに揚げる基準のいずれにも適合することを指します。
イ)指定通所基準第71条、第71条の2または第71条の6において準用する指定通所基準第37条の運営規定に定められている運営時間が8時間以上であること。
ロ)8時間以上の運営時間の前後の時間において、放課後等デイサービスを行うこと。
ハ)指定通所基準の規定により職員(直接支援事業に従事する者に限る)を1以上配置していること。
◎注意事項
・ここでいう「営業時間」には、送迎のみを実施する時間は含まれません。
・個々の障害児の実利用時間は問いません。例えば、サービス提供時間は8時間未満であっても、営業時間を超えて支援を提供した場合には、本加算の対象となります。

■関係機関連携加算

関係機関連携加算とは、関係機関(保育所、学校、就学先、就職先など)と連携して個別支援計画や連絡調整などを行った場合に加算するものです。詳しくは下記の通りです。
【関係機関連携加算(Ⅰ)】
 就学児が通う小学校やその他関連機関との連携を図るため、あらかじめ通所給付決定保護者の同意を得て、対象となる障害児に係わる放課後等デイサービス計画に関する会議を開催し、小学校その他関係機関との連絡調整および相談援助を行った場合、1月に1回を限度として、所定単位数(200単位/回)を加算します。
 但し、共生型放課後等デイサービス事業所については、共生型サービス体制強化加算で「児童発達支援管理責任者および保育士または児童指導員をそれぞれ1以上配置した場合の加算=181単位/日」、または「児童発達支援管理責任者を配置した場合の加算=103単位/日」を算定している場合は、この加算は出来ません。
関係機関連携加算(Ⅱ)】
 就学児が就学先、就職予定の企業または官公庁などの連携を図るため、あらかじめ通所給付決定保護者の同意を得て、就学先、就職予定の企業または官公庁などとの連携調整および相談援助を行った場合に、1回を限度として所定単位数(200単位/回)を加算します。
 この加算は、障害児の状態や支援方法につき、ライフステージが移行する際にも切れ目なく支援を継続できるようにする観点から、就学または就職の機会を捉えて評価するものです。

《注意事項》この加算は、就学、企業または官公庁などの就職の際に連絡調整を行った場合に算定できるものですが、就職先が就労継続支援A型およびB型ならびに就労移行支援事業所の場合は加算の対象とはなりません。必ず障害児の状態や支援方法を記録した文書を保護者の同意を得たうえで就学先または就職先に渡すようにして下さい。尚、連絡先との連絡調整や相談援助を行った場合には、相手ややり取りの内容について記録することを忘れないようにして下さい。また、令和3年度の改定により業務効率化を図るためICTの活用も認められています。

■保育・教育等移行支援加算

障害児の有する能力、その置かれている環境および日常生活全般の状況の評価を通じて通所給付決定保護者および障害児の希望する生活ならびに課題の把握を行ったうえで、地域において保育・教育などを受けられるよう支援を行ったことにより、放課後等デイサービス事業所または共生型放課後等デイサービス事業所を退所して児童が集団生活を営む施設に通うことになった障害児の退所後30日以内に居宅を訪問して相談援助を行った場合に、1回を限度として所定単位数(500単位/回)を加算します。
◎保育・教育等移行支援加算の取り扱いについて
・保育・教育等移行支援加算は、訪問日に算定することになっています。
・以下のアからエまでのいずれかに対象となる障害児が該当する場合には、算定ができないことになっています。

ア)退所して病院または診療所へ入院する場合
 イ)退所して他の社会福祉施設などに入所する場合
 ウ)学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(幼稚園は除く)へ入学する場合
 エ)死亡退所の場合
・保育・教育等移行支援加算の対象となる移行支援および相談援助を行った場合、行った日およびその内容の要点に関する記録を残すようにして下さい。
・移行支援の内容とは、以下のようなものを指します。
 ア)具体的な意向を想定した子どもの発達の評価
 イ)合理的配慮を含めた移行に当たっての環境の評価
 ウ)具体的な移行先との調整
 エ)家族への情報提供や移行先の見学調整
 オ)移行先との援助方針や支援内容の共有、支援方法の伝達
 カ)子どもの情報・親の意向などについての移行先への伝達
 キ)併行通園の場合は、利用日数や時間などの調整
 ク)移行先の受け入れ体制づくりへの協力
 ケ)相談支援などによる移行先への支援
 コ)地域の保育所や子育て支援サークルとの交流

■人員基準における両立支援への配慮

① 障害福祉の現場において、仕事と育児や介護との両立を進め、離職防止・定着促進を図る観点から、「常勤」要件及び「常勤換算」要件を一部緩和する見直しを行います。

【現 行】

《常勤》指定障害福祉サービス事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)に達していることが条件でした。
※ ただし、育児・介護休業法による育児の短時間勤務制度を利用している職員については、利用者の処遇に支障がない体制が事業所として整っている場合は、例外的に常勤の従業者が勤務すべき時間数を30時間として取り扱うことが可能としています。 ・常勤換算方式は事業所の従業者の勤務延べ時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法を取っていました。

【見直し後】

イ)「常勤」の計算に当たり、職員が育児・介護休業法による育児の短時間勤務制度を利用する場合に加えて、介護の短時間勤務制度等を利用する場合にも、週30時間以上の勤務で「常勤」として扱うことを認められます。
ロ)「常勤換算方法」の計算に当たり、職員が育児・介護休業法による短時間勤務制度等を利用する場合、週30時間以上の勤務で常勤換算での計算上も1(常勤)と扱うことを認められます。
ハ)人員基準や報酬算定において「常勤」での配置が求められる職員が、産前産後休業や育児・介護休業等を取得した場合に、同等の資質を有する複数の非常勤職員を常勤換算することで、人員基準を満たすことを認められます。
ニ) 上記のハの場合において、常勤職員の割合を要件とする福祉専門職員配置等加算について、産前産後休業や育児・介護休業等を取得した当該職員についても常勤職員の割合に含めることを認められます。

② 障害福祉の現場において、全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、運営基準において、適切な職場環境維持(ハラスメント対策)を求めることとなります。

〇ハラスメント対策運営基準(新設)

適切なサービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動または優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより従業者の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければなりません。

■福祉・介護職員処遇改善加算

この処遇改善加算とは、福祉・介護職員の賃金改善について、一定の基準に適合する取り組みを実施している場合の加算のことを言います。詳しくは下記の表と注に示した通りです。

区分 加算率 要件
福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅰ) 所定単位数の8.4 キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、キャリアパス要件(Ⅲ)、職場環境等要件の全てを満たすこと
福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅱ) 所定単位数の6.1%

キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、職場環境等要件の全てを満たすこと

福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅲ) 所定単位数の3.4% キャリアパス要件(Ⅰ)またはキャリアパス要件(Ⅱ)を満たすことに加え、職場環境等要件を満たすこと
福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ) 福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅲ)の90100 キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、職場環境等要件のいずれかを満たすこと
福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅴ) 福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅲ)の80100 キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、職場環境等要件のいずれも満たさないこと

注1: 基準となる所定単位数とは、基本報酬及び各加算(福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員処遇改善特別加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算を除く)を算定した単位数の合計のことを言います。
注2:福祉・介護職員処遇改善特別加算との併給不可となります。
注3:(Ⅳ)、(Ⅴ)について、令和2年度から継続して算定する場合のみ令和4年3月サービス提供分まで算定が可能となります。
注4:キャリアパス要件および職場環境等要件の概略は以下の通りです。
キャリアパス要件(Ⅰ):職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をする。
キャリアパス要件 (Ⅱ):資質向上のための計画を策定して研修の実施または研修の機会を設ける。キャリアパス要件(Ⅲ):経験もしくは資格などに応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基
づき定期に昇給を判定する仕組みを設ける。

職場環境等要件について令和3年度の改定により以下のアとイが定められました。
ア 職場環境等要件について、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、以下の取組がより促進されるように見直しを行う。
・ 職員の新規採用や定着促進に資する取組
・ 職員のキャリアアップに資する取組
・ 両立支援・多様な働き方の推進に資する取組
・ 腰痛を含む業務に関する心身の不調に対応する取組
・ 生産性の向上につながる取組
・ 仕事へのやりがい・働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、職員の勤務継続に資する取組
イ 職場環境等要件に該当する取組の実施については、原則、当該年度における取組の実施を求めることとする。ただし、継続して処遇改善加算を取得している事業所において、当該年度に実施できない合理的な理由がある場合は、例外的に前年度の取組実績をもって、要件を充たすものとして認めても差し支えないこととなります。
注5:加算を取得した事業所においては、加算額に相当する福祉・介護職員の賃金改善を行う必要が当然あります。

■福祉・介護職員処遇改善特別加算

福祉・介護職員を中心として従業者の処遇改善が図られている(「キャリアパス要件」および「職場環境等要件」は問わない)場合、所定単位数(基本報酬及び各加算《福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員処遇改善特別加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算を除く》を算定した単位数の合計)に1.1%を加算します。尚、前項の「福祉・介護職員処遇改善加算」を加算している場合にあっては、算定できません。
※令和2年度から継続して算定する場合のみ令和4年3月サービス提供分まで算定が可能となります。

■福祉・介護職員等特定処遇改善加算

福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までのいずれかを取得している事業所が、当該加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っているとともに、当該加算に基づく取組みについて、ホームページへの掲載等を通じた見える化を行っている場合は、以下の表の通り加算します。

令和3年度の改定において以下のようになりました。

① 福祉・介護職員等特定処遇改善加算について、リーダー級の職員について他産業と遜色ない賃金水準の実現を図りながら、福祉・介護職員の更なる処遇改善を行うとの趣旨は維持した上で、加算の更なる取得促進を図るとともに、小規模事業者を含め事業者がより活用しやすい仕組みとする観点から、平均の賃金改善額の配分ルールについて、より柔軟な配分を可能とするよう「経験・技能のある障害福祉人材」は「他の障害福祉人材」の「2倍以上と→「福祉・介護職員処遇改善加算の加算率について」参照すること」とするルールについて、「より高くすること」に見直します。
※ 「その他の職種」は「他の障害福祉人材」の「2分の1を上回らないこと」とするルールはこれを維持します。
※ 障害福祉サービス等に従事する職員の特性を考慮して設けられている「職員分類の変更特例」について、実際の届出事例を踏まえ、変更特例の対象となりうる職種をより幅広に例示し、周知することになります。
② また、福祉・介護職員等特定処遇改善加算の加算率について、上記の福祉・介護職員処遇改善加算の加算率と同様、類似する複数のサービスをグループ分けした上で加算率を設定します。

区分 加算率 備考
福祉・介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ) 所定単位数の1.3%  
福祉・介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ) 所定単位数の1.0% 福祉専門職員配置等加算を算定してない事業所

注:基準となる所定単位数とは、基本報酬及び各加算(福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員処遇改善特別加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算を除く)を算定した単位数の合計のことを言います。

C.報酬算定構造

■放課後等デイサービス給付費の報酬算定構造

障害福祉サービス費等の報酬算定構造(令和3年度見直し箇所)の「放課後等デイサービス給付費」60-65頁をご覧下さい。

■障害福祉サービス報酬

①利用者は、市町村(区)に障害支援区分の申請(介護給付の場合)、支給申請を行います。
②市町村は、障害の程度により区分を認定し、支給決定をします。
③④利用者とサービス事業者で契約を締結します。事業者はサービスを提供し、利用者は所得に応じた費用を事業者に支払います。
⑤事業者は、市町村に対して介護給付費等の請求を行います。※
⑥市町村は、事業者に介護給付費当の支払いをします。※
※請求実務では、国民健康保険団体連合会(国保連)に請求し、国保連から支払われます。

■報酬算定計算方式

報酬算定時の計算方法は以下のようになります。
【1】単位数 × 10円 × 事業所が所在する地域区分に応じた割合
・下記【2】、【3】のサービス種別 以外
【2】単位数 × 8.5円 × 事業所が所在する地域区分に応じた割合
・基準該当居宅介護
・基準該当重度訪問介護
・基準該当行動援護
・基準該当同行援護
【3】単位数 × 10円
・療養介護
※計算して得た額に1円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てて算定する。

■地域区分

放課後等デイサービス 1級地 2級地 3級地 4級地 5級地 6級地 7級地 その他
主として重症心身障害児以外の障害児を通わせる場合 11.20円 10.96円 10.90円 10.72円 10.60円 10.36円 10.18円 10円
主として重症心身障害児を通わせる場合 11.52円 11.22円 11.14円 10.91円 10.76円 10.46円 10.23円 10円

〇令和3~5年度における地域区分の適用地域(障害児サービス)

地域区分 都道府県 地域
1級地 東京都 特別区
2級地 千葉県 袖ケ浦市、印西市
東京都 町田市、狛江市、多摩市
神奈川県 横浜市、川崎市
大阪府 大阪市
3級地 埼玉県 さいたま市、和光市
千葉県 千葉市、成田市
東京都 八王子市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、調布市、小金井市、小平市、日野市、国分寺市、国立市、福生市、清瀬市、稲城市、西東京市、東村山市、東久留米市
神奈川県 鎌倉市
愛知県 名古屋市
大阪府 守口市、大東市、門真市、四条畷市
兵庫県 西宮市、芦屋市、宝塚市
4級地 茨城県 牛久市
埼玉県 東松山市、朝霞市、志木市
千葉県 船橋市、浦安市、習志野市八千代市
東京都 立川市、昭島市、東大和市
神奈川県 相模原市、藤沢市、逗子市、厚木市、海老名市
愛知県 刈谷市豊田市
大阪府 豊中市、池田市、吹田市、高槻市、寝屋川市、箕面市
兵庫県 神戸市
5級地 茨城県 取手市つくば市、水戸市、日立市、土浦市、龍ヶ崎市、守谷市
埼玉県 新座市、富士見市、ふじみ野市、三芳町
千葉県 市川市、松戸市、佐倉市、市原市、四街道市、栄町
東京都 あきる野市、日の出町
神奈川県 横須賀市、平塚市、小田原市、茅ケ崎市、大和市、伊勢原市、座間市、綾瀬市、寒川町、愛川町
愛知県 西尾町、みよし市
滋賀県 大津市、草津市
京都府 京都市
大阪府 堺市、枚方市、茨木市、八尾市、松原市、摂津市、高石市、東大阪市、交野市
兵庫県 尼崎市、伊丹市、三田市、川西市
広島県 広島市、府中町
福岡県 福岡市、春日市
6級地 宮城県 仙台市、多賀城市
茨城県 古河市、利根町
栃木県 宇都宮市、下野市、野木町
群馬県 高崎市
埼玉県 川越市、川口市、行田市、所沢市、加須市、春日部市、狭山市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、三郷市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、吉川市、白岡市、飯能市、伊奈町、宮代町、杉戸町、松伏町
千葉県 野田市、茂原市、柏市、流山市、鎌ヶ谷市、白井市、酒々井町
東京都 武蔵村山市、羽村市、奥多摩町、瑞穂町檜原村
神奈川県 三浦市、秦野市、葉山町、二宮町、大磯町、清川村
長野県 塩尻市
岐阜県 岐阜市
静岡県 静岡市
愛知県 岡崎市、瀬戸市、春日井市、豊川市、津島市、碧南市、安城市、稲沢市、大府市、知立市、日進市、愛西市、北名古屋市、弥富市、あま市、長久手市清須市豊明市豊山町東郷町、大治町、蟹江町、飛島村
三重県 津市、四日市市、桑名市、鈴鹿市、亀山市
滋賀県 彦根市、守山市、栗東市、甲賀市
京都府 宇治市、亀岡市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、木津川市、精華町
大阪府 岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市、富田林市、河内長野市、和泉市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市、泉南市、大阪狭山市、阪南市、島本町、豊能町、能勢町、忠岡町、熊取町、田尻町、岬町、太子町、河南町、千早赤阪村
兵庫県 明石市、猪名川町
奈良県 奈良市、大和高田市、大和郡山市、生駒市
和歌山県 和歌山市、橋本市
福岡県 大野城市、太宰府市、糸島市、福津市、粕屋町
7級地 北海道 札幌市
茨城県 ひたちなか市、結城市、笠間市、那珂市、下妻市常総市、筑西市、坂東市、稲敷市、つくばみらい市かすみがうら市、阿見町、河内町、八千代町、五霞町、大洗町、境町
栃木県 栃木市、鹿沼市、日光市、小山市、真岡市、大田原市、さくら市、壬生町
群馬県 前橋市、太田市、渋川市、伊勢崎市、玉村町
埼玉県 熊谷市、深谷市、日高市、毛呂山町、越生町、滑川町川島町、吉見町、鳩山町、寄居町
千葉県 木更津市、東金市、君津氏、富津市、八街市、富里市、長柄町、長南町
神奈川県 箱根町、山北町
新潟県 新潟市
富山県 富山市
石川県 金沢市、内灘町
福井県 福井市
山梨県 甲府市
長野県 長野市、松本市、諏訪市、伊那市
岐阜県 大垣市、多治見市、美濃加茂市、各務原市、可児市
静岡県 沼津市御殿場市、浜松市、三島市、富士宮市、島田市、富士市、磐田市、焼津市、掛川市、藤枝市、袋井市、小山町、川根本町、森町
愛知県 知多市、豊橋市、一宮市、半田市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、東海市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、田原市、大口町扶桑町、阿久比町、東浦町、幸田町、設楽町、東栄町、豊根村
三重県 名張市、伊賀市、いなべ市、木曽岬町、東員町、菰野町、朝日町、川越町
滋賀県 長浜市、野洲市、湖南市、高島市、東近江市、日野町
京都府 城陽市、大山崎町、久御山町
兵庫県 姫路市、加古川市、三木市
奈良県 天理市、橿原市、桜井市、御所市、香芝市、葛城市、宇陀市、王寺町、山添村、平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、曽爾村、明日香村、上牧町、広陵町、河合町
岡山県 岡山市
広島県 三原市、東広島市、廿日市市、海田町、坂町
山口県 周南市
徳島県 徳島市
香川県 高松市
福岡県 北九州市、飯塚市、筑紫野市、那珂川市
長崎県 長崎市
その他 宮城県 名取市
兵庫県 赤穂市
全ての都道府県 1級地から7級地まで以外の地域

※令和3年4月1日において地域に係わる名称によって示された区域です。