目次 |
1.放課後等デイサービスについて 2.放課後等デイサービスでの仕事は? 3.児童発達支援との違いは? 4.指導員とは 5.最後に… |
放課後等デイサービスとは、障害を持つこどものための通所支援サービスです。学齢期(小学校から高校まで)のこどもが、放課後や夏休みなどの長期休暇に通います。2012年以前の障害児施設は、その障害の種別によってサービスが分かれていました。しかし児童福祉法の改正により一元化され、「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」が誕生し、障害の種類を問わず同様のサービスが受けられるようになりました。
施設の役割は、自分の力でできることを増やせるよう訓練すること。この他にも、放課後の居場所作り、お預かりサービス的な役割もあります。そのため、障害のあるお子さんを持つ親御さんからのニーズがとても増えているようです。学校や一般的な学童にうまく馴染むことができず、悩んでいる障害児は多く存在します。そんなこどもや、その家庭をサポートするために一役買っているのが放課後等デイサービスです。
放課後等デイサービスでは、自立した生活ができるようにする訓練や、集団生活への適応訓練、創作活動、運動療育といったさまざまな内容のサービスを行います。こども達はそれぞれ個性があるため、一人ひとりの個性に合わせた個別の支援プログラムが欠かせません。そのため、親御さんへのヒアリングを行い、その結果に合わせて必要な支援プログラムを作成していきます。事業所によっては、正式な検査結果から個々の特性をとらえ、その子の力をどう伸ばしていくかを決定しているところもあるようです。放課後等デイサービスのニーズ増加に伴い、民間企業も多く参入し、そのあり方も多岐にわたります。学習塾タイプの事業所、体を動かす運動に特化した事業所、パソコンやタブレットなど最新機器の使用に力を入れている事業所、音楽教育などクリエイティブな創作活動に重きを置いている事業所など、さまざまなタイプの事業所が存在しています。このように事業所ごとの取り組みは多岐にわたり、それにより仕事内容も大きく異なってくるでしょう。こどもの成長や力を引き出すお手伝いができる、やりがいのあるお仕事です。
障害児施設は、利用者の自宅から通う「通所施設」と、施設そのものに入所する「入所施設」の2つのタイプに分かれます。放課後等デイサービスと児童発達支援は「通所施設」に分類されます。では、この2つの施設にはどういった違いがあるのかというと、単純に対象とするこどもの年齢によって分類されています。小学校にあがる前の未就学児を対象としているのが「児童発達支援」で、小学校入学から高等学校を卒業する18歳までの就学児を対象としているのが放課後等デイサービスです。なお、18歳以上であっても、『継続して放課後等デイサービスを利用しなければその福祉を損なう』と行政により判断された場合は、20歳まで放課後等デイサービスを利用することが可能です。
指導員の働く場は、児童指導員とそれほど変わらず放課後等デイサービスや児童発達支援事業所などの児童福祉施設です。仕事内容としては、児童指導員のサポートや子どもの送迎、事務作業といった役割を担います。
指導員は児童指導員とは違い、なるための資格や経験は必要ありません。なので、指導員として一定の実務経験を積んでから、児童指導員へのステップアップを目指すことも可能です。
管理者と指導員については特に定められた要件はなく、無資格でも応募が可能です。ジョブメドレーでは、介護職/ヘルパーを対象に指導員の求人を出している事業所も多くあります。ですから、資格がなくても介護分野での実務経験があれば、放課後等デイサービスへの転職・復職に有利に働くといえるでしょう。それに、放課後等デイサービスで保育士や指導員として3年以上従事すると、介護福祉士の受験資格を満たすことができます。実務経験をつめば、児童発達支援管理責任者となる道も選択できます。もちろん、介護福祉士や社会福祉士などの資格があれば転職・復職はより有利となるでしょう。
これからますます事業所数が増える見込みがあるのは、放課後等デイサービスの特徴ではないでしょうか。